中池見湿地で調査データに基づき整備計画が変更されました。
中池見湿地(福井県)はモニタリングサイト1000里地調査(環境省委託事業)のコアサイトでラムサール条約登録候補地にもなっている重要な湿地のひとつです。
2011年度、敦賀市が中池見湿地を周遊する管理用道路の拡張や中央を通る水路の改修工事を計画しました。
これまでは一部の人だけの説明会で進められていましたが、湿地にかかわる大切な場所の整備工事であるためNACS-Jや地元市民団体は市への働きかけを行い、湿地に配慮する形で計画変更されました。
2011年4月に市によって工事の説明会が開催された後、NACS-Jがまとめ役となり、モニ1000の調査員を中心に湿地の保全関係者でモニタリング調査などのデータに基づき「保全上重要な場所」の一覧と地図を作成。
2回目の工事説明会でこれらの資料とともに整備方法について提案しました。
市はこの結果を反映し、工事の仕様書に一覧表と地図を添付して工事を発注しました。
そして、できる限り貴重な動植物に配慮すること、文化遺産である既存の水門や石積みを活かすこと、湿地に砕石を入れないこと、水路のための管理道路はつくらないことなどを確認し、工事業者も交えて話し合いながら進めることができました。
今回のような協力体制ができたのは、行政の協力はもちろんのこと、元地権者が積極的に説明会に参加して土地の特徴などについて意見を出してくれたこと、工事業者の代表スタッフが自然観察会に家族ぐるみで参加していたこと、などが大きく作用しました。
これも長年地域の人への理解を広めてきた市民団体の活動があったからこそ。
今後も市民団体と協力してモニタリング調査を続け工事の経過をみていく予定です。