ふれあいマップ片手に照葉樹林の保全に参加しよう。
会報『自然保護』No.513(2010年1/2月号)より転載
2005年にスタートした綾の照葉樹林プロジェクト。林野庁九州森林管
理局、宮崎県、綾町、てるはの森の会とNACS‐Jが協定を結び、協働で、日本に残された最後の広大な照葉樹の森の保護・復元に取り組んでいます。照葉樹
林の復元は、専門的な調査に基づき、人工林を間伐するなどの方法で行われていますが、地元綾町の住民にとっては、決して身近な活動とは言えないところがあ
ります。
そこで、これまで照葉樹林を守り引き継いできた地元の人たちがもっとこのプロジェクトを身近に感じ、地域の暮らしにかかわる照葉樹林の保護を意識してもらうことができるよう、「人と自然のふれあい調査」を企画しました。
ふ
れあい調査は、綾町で一番照葉樹の森に近い山側に位置し、調査の主旨を受け止めてくれた上畑地区で実施しました。約1年かけて、地域の自然と暮らしとのか
かわりについて、聞きとりや懇談会での話し合い、現地調査などを通して調べました。その結果、上畑地区では8つの重要な自然とのかかわりの特徴が明らかに
なりました。それを絵地図と写真、短い文章でまとめ、ふれあいマップを作成しました。調査の実施で地域の人たちが、照葉樹林とそのふもとに広がる地域の自
然と、そこでの自分たちの暮らしのかかわりを再発見するきっかけをつくることができました。
▲地区の公民館でお年寄りから話を聞く、ふれあい懇談会の様子
ふ
れあいマップは、地区の全戸とほかの地区、町の行政各機関にも配られました。今後は、綾の照葉樹林を訪れた人たちにマップを使った町の自然と暮らしを伝え
るガイドウォークや、町民の環境学習、郷土学習プログラムづくりなどを試行し、地域づくりの活動と連動した、町民が主体的にかかわる照葉樹林プロジェクト
を築いていくことが目標です。会員の皆さんもぜひ綾の町と照葉樹林を訪れてみてください。
ふれあい調査は住民が主体的に地域の自然を守り持続可能な地域づくりに参加するための取り組みとして、手法の研究・普及、各地での実践を継続しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
プロジェクト事務局「てるはの森の会」にお問い合わせください。活動・イベント情報をお知らせします。
●ふれあいマップガイドウォーク&ふれあい調査ワークショップ
2010年2月開催予定(詳細未定)。
ふれあいマップで、上畑地区を歩き、町の人たちと交流します。どうぞお問い合わせください。