「NACS-Jの蓄積の活用と現在検討中の候補地の資料の提供を」
1999年11月4日
沖縄県土木建築部
新石垣空港対策室長 屋比久 孟尚 様
財団法人 日本自然保護協会
普及部長 中井 達郎
新石垣空港建設問題について
新石垣空港建設問題につきまして、ご承知のように、当協会は、白保サンゴ礁上での新空港建設案が本格化した1985年ころの時点から、この問題について注目し、地元団体あるいはWWF-Jなどとの協力のもと、自然環境保全上の立場から、国際自然保護連合(IUCN)による2度にわたる調査への協力や独自の科学的検討・調査に基づく意見具申などを行ってきました。
「カラ岳東案」が提示された時点では、1989年5月に緊急調査を行い、この海域のサンゴ礁生態系の評価を行った上で、同案に対する反対の意志表示を行ったものであります。また、大田県政での候補地選定作業に際しても、上記の緊急調査および追加調査に基づく意見具申を行ってまいりました。
その後、宮良牧中案に候補地が絞り込まれて以降、カラ岳東海域を含む白保サンゴ礁への直接的な悪影響が回避されたため、状況を見守る姿勢をとってまいりました。
稲嶺知事になられて以降も引き続き、新石垣空港建設位置選定委員会の発足や経過などについて、注目をして来たところですが、再び「カラ岳東案」が選定候補のひとつになったことに、大変憂慮しているところです。
当協会は、八重山の方々が、世界にも誇るべきその自然を損なうことない賢明な自然利用を行って、豊かな暮らしを続けられることを切に願うものです。そのために、今後も新石垣空港建設について自然環境保全の観点から、注目し続けると同時に、必要に応じて意見具申をさせていただく考えです。
つきましては、以下のことをご提案、お願い申しあげます。
1.新石垣空港建設位置選定委員会等でのご議論のなかで、これまで沖縄県に提示してきた当協会の蓄積を十分に活用されますこと。
2.現在のご検討中の4候補地についての資料を当協会にご提供いただくこと。
以上、宜しくお願い申しあげます。