「ニッポンのカメのいる風景」写真コンテスト入賞者発表!
「自然しらべ2013 日本のカメさがし!」連動企画
「ニッポンのカメのいる風景」写真コンテスト入賞作品発表!
お子さんから研究者まで、誰もが気軽に参加できる自然しらべでは、調査報告の際に対象の生きものを写真に撮って送っていただく形式をとることで、1枚1枚写真を見て種類を確認することができるため、ただの目撃情報とは異なり、研究者の調査と同様の高い精度の調査記録を得ることができています。
その記録写真の中には、親子でほのぼのとした調査風景の写真から、生態写真として優れたものや芸術的な写真まで、アッと!と驚く画像も多く含まれています。
今年は調査期間中に撮影・投稿された記録写真を対象に、株式会社ニコンの協力で「ニッポンのカメのいる風景」写真コンテストを行い、5名の方が入賞されましたのでご紹介します。
▲入賞された方には賞品として株式会社ニコンより、右記のカメラを贈呈いたしました
グランプリ賞 小峯昇さん(埼玉県)
みんなそろって甲羅干し
<推薦>
クサガメ、ミシシッピアカミミガメ、ニホンイシガメ、ニホンスッポンの成体がそれぞれ1頭ずつ一列に並んでいて、まるで日本列島のカメの「基本4種」が例示されているようなおもしろさを感じました。左の3頭はいずれも産卵可能な体の大きさのお母さんガメですが、ニホンスッポンの性別は分かりません。少なくともニホンイシガメとミシシッピアカミミガメは、小峰さんがカメラを構える姿を気にしているような目線ですね。初夏の晴れた日ののどかな光景なのですが、外来生物問題が写し込まれていることも忘れることができません。
クサガメ、ミシシッピアカミミガメ、ニホンイシガメ、ニホンスッポンの成体がそれぞれ1頭ずつ一列に並んでいて、まるで日本列島のカメの「基本4種」が例示されているようなおもしろさを感じました。左の3頭はいずれも産卵可能な体の大きさのお母さんガメですが、ニホンスッポンの性別は分かりません。少なくともニホンイシガメとミシシッピアカミミガメは、小峰さんがカメラを構える姿を気にしているような目線ですね。初夏の晴れた日ののどかな光景なのですが、外来生物問題が写し込まれていることも忘れることができません。
矢部 隆(愛知学泉大学教授、なごや生物多様性センター長、日本カメ自然誌研究会代表)
みんなで守ろう賞 菊原由希子さん(愛媛県)
<推薦>
この写真には二つの「あっ!」という驚きが写っています。一つ目はもちろん真ん中の「ヤエヤマセマルハコガメ」君。日本では沖縄県の石垣島などにしか住んでいない天然記念物です。環境省版レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されているそうです。
よくぞ見つけました。二つ目は左上に写っているタイヤ。「あっ、危ない!」と思わず声が出ます。
道路が整備されて、人が便利になる代わりにカメが危険にさらされています。みんなで守りたいですね。
この写真には二つの「あっ!」という驚きが写っています。一つ目はもちろん真ん中の「ヤエヤマセマルハコガメ」君。日本では沖縄県の石垣島などにしか住んでいない天然記念物です。環境省版レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されているそうです。
よくぞ見つけました。二つ目は左上に写っているタイヤ。「あっ、危ない!」と思わず声が出ます。
道路が整備されて、人が便利になる代わりにカメが危険にさらされています。みんなで守りたいですね。
木村透(読売新聞東京本社学事支援部長)
みんなで防ごう賞 今津健志さん(千葉県)
<推薦>
写真のカメはおそらく甲長が数cmの小さな幼体ですが、カメにお詳しい今津さんは見逃さずに観察されています。鹿島川は、カミツキガメが多数見つかる印旛沼水系に属する流域なのですが、「感想」欄で記しておられるように、この画像は当地でカミツキガメが繁殖している証拠となり得る点で重要なものです。この地域で約4年間調査を継続されているからこそ、このシャッターチャンスを得られたのだと思います。今後も観察調査を継続され、カメの生態の貴重な写真を撮られることを期待します。
写真のカメはおそらく甲長が数cmの小さな幼体ですが、カメにお詳しい今津さんは見逃さずに観察されています。鹿島川は、カミツキガメが多数見つかる印旛沼水系に属する流域なのですが、「感想」欄で記しておられるように、この画像は当地でカミツキガメが繁殖している証拠となり得る点で重要なものです。この地域で約4年間調査を継続されているからこそ、このシャッターチャンスを得られたのだと思います。今後も観察調査を継続され、カメの生態の貴重な写真を撮られることを期待します。
矢部 隆(愛知学泉大学教授、なごや生物多様性センター長、日本カメ自然誌研究会代表)
日本のカメのいる風景賞 金丸大地さん(東京都)
<推薦>
日本の固有種であるニホンイシガメですね。カメラアングルをカメまで下げたことで、里山の風景をうまく取り入れたユニークな構図となっています。数日一緒に過ごしたニホンイシカメが、田んぼに向かって歩きながらも、つぶらな瞳で作者親子を振り返っているようにも見えます。
何気ない日本の原風景にニホンイシガメがあたりまえのように生息する自然を守り、いつまでも残していきたいと思わせるほのぼのとした作品です。
日本の固有種であるニホンイシガメですね。カメラアングルをカメまで下げたことで、里山の風景をうまく取り入れたユニークな構図となっています。数日一緒に過ごしたニホンイシカメが、田んぼに向かって歩きながらも、つぶらな瞳で作者親子を振り返っているようにも見えます。
何気ない日本の原風景にニホンイシガメがあたりまえのように生息する自然を守り、いつまでも残していきたいと思わせるほのぼのとした作品です。
山崎英雄(株式会社ニコン経営企画本部CSR統括部社会貢献室長)
楽しくしらべました賞 崎野楓さん(山口県)
<推薦>
大きなクサガメを持って、にっこり記念写真(記録写真)。こんな感じで自然の中で生きものとふれあえたら、なんと楽しい事でしょう。自然しらべで毎年テーマを変えながらしらべる生きものたちは、身近な自然で誰でもが見つけることができる生きもので、お子さんにとっては身近な仲間だったりします。微笑ましい夏の思い出ですね。
大きなクサガメを持って、にっこり記念写真(記録写真)。こんな感じで自然の中で生きものとふれあえたら、なんと楽しい事でしょう。自然しらべで毎年テーマを変えながらしらべる生きものたちは、身近な自然で誰でもが見つけることができる生きもので、お子さんにとっては身近な仲間だったりします。微笑ましい夏の思い出ですね。
大野正人(公益財団法人日本自然保護協会教育普及部長)
「ニッポンのカメのいる風景」写真コンテスト選考会(2013年12月6日、読売新聞東京本社会議室)
審査委員
▲選考会の様子。左から大野正人、木村透、矢部隆、山崎英雄、大村慶子、恒川良輔(敬称略)