エコツーリズム推進検討会に参加しています。
2007年につくられたエコツーリズム推進法は、エコツーリズムを「自然環境や歴史文化を対象とし、それらを体験し、学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のあり方」としています。エコツーリズムに基づくエコツアーを各地の保護地域や観光地域の新たな事業にするため、2014年9月から「エコツーリズム推進に関する検討会議」が組織され、NACS-Jも毎年、検討委員として参加してきました。
会議の目的は、現時点の課題や問題点をまとめ、今後の国の対処方策を見つけること。委員は、地域のエコツーリズム協議会の代表、造園と観光を専門とする大学教員、環境教育と自然保護、農山漁村交流のNGOスタッフの6人。そして法律を所管する観光、農林水産、文部科学、環境の4省庁が参加し、環境省自然ふれあい推進室がまとめ役となっています。日本の推進法に基づくエコツアーの全体像は、環境省のウェブサイト(『エコツアー総覧』)で見ることができます。
エコツーリズムの課題の第一は、どういう観光形態がエコツーリズムなのかが相変わらず不明瞭なこと。また、全体構想づくりや地域資源の保護や広報に税金が使われるメリットはあるものの、観光資源のモニタリングの現実のメリットが地域に分かりにくかったり、事業者にとって「エコツアー」という用語の敷居が高いと受け取られているためになかなか使われないことなど、大小さまざまです。何を今の課題とし、どう具体的に改善するか、今年度末の取りまとめにご注目ください。
(参与/横山隆一)