風力発電施設と野生生物の衝突事故の現場を見つけたら情報をお寄せください
再生可能エネルギーの「飛躍的な拡大」を果たしたいと、政府は全国で陸上に加え新たに洋上の大規模な風力発電所の試験設置を進めています。
風力発電には渡り鳥やコウモリ類の恒常的な衝突事故が起きやすいため、環境省野生生物課は2011年1月に「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」を出して事前の調査手法などをまとめ、環境省環境影響評価課では同年11月に改正されたアセス法を受けて風力発電をアセスの対象事業に追加し、2012年10月から施行されています。
その中で、2011年3月から、それまでにつくられた陸上の風力発電施設と渡り鳥や希少な猛禽類など施設の周囲を行動圏にする野生生物と衝突事故との関係の実態を再度収集整理し、振り返る作業を始めています。
NACS-Jも、渡り鳥の渡り行動と風力発電施設の実際の関係や、イヌワシ・オオワシ・オジロワシなど希少大型猛禽類の繁殖個体と越冬個体の保護との関係からこの検討会に参加し、実態の考察を進めています。
今年1月23日には、北海道苫前町の町営風力発電所の風車に衝突したとみられるオジロワシ幼鳥が保護されました。右翼骨折と衰弱しながらも生きて回収された初の事例です。日常は無人で、月に一度程度の施設パトロールの際に気付かれる事実しかない中での実態把握は大変難しいものです。
もし会員の皆さんのお近くで何かを見つけられたら、日時・場所と写真をNACS-Jまでご提供ください。
(常勤理事 横山隆一)