知床半島における通信基地整備の中止についてのコメント
10月11日(金)、知床半島地域通信基盤強化連携推進会議が北海道斜里町において、総務省・環境省など関係省庁と地元自治体、携帯電話事業者等によって開催され、知床岬での通信基地の整備を中止することが合意されました。これについて、NACS-Jはコメントを発表しました。
知床半島における通信基地整備の中止についてのコメント
日本自然保護協会は、知床における通信基地の整備計画について、世界自然遺産である知床の価値を損なうことから反対してきたが、今回の知床岬の整備の中止は賢明な判断と高く評価する。一方で、観光船沈没事故の惨事や地域の要望を背景に、日本の国立公園のあるべき姿を考慮せず、透明性と公開性も不十分に、拙速に計画を進めてきたことは反省すべきである。また、ニカリウス地区での整備は、漁業者の安全確保を目的に、衛星通信も代替の選択肢として検討をしつつ、環境への影響調査や景観への配慮をしっかりと行うなど、時間をかけて社会的な合意形成を行うことが重要である。
2024年10月11日
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 土屋 俊幸
参考:
- 知床岬・携帯電話基地局整備の中止を!(2024年8月)
https://www.nacsj.or.jp/2024/08/41715/ - 知床岬の携帯基地局整備による影響を懸念 世界遺産センターなどに通知書を提出(2024年6月)
https://www.nacsj.or.jp/media/2024/06/40832/ - 世界自然遺産・知床半島の携帯電話基地局の整備に対する意見を提出しました(2024年5月)
https://what-we-do.nacsj.or.jp/2024/05/20370/
工事地点を示した知床岬の画像(Google Earthによる衛星画像上にNACS-J作図)