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オオクチバス漁業権の返上に向けての山梨県の方針に対し、他団体と共同声明を発表しました

2023.07.26
要望・声明

日本自然保護協会(NACS-J)はじめ自然保護4団体と2つの学術団体は、オオクチバスの漁業権は即時に返上されるべきという基本姿勢のもと、山梨県の河口湖、西湖、山中湖において、各漁協から漁業権を返上していくロードマップが提示されたことについて、一定の評価を示し、ロードマップの確実な履行を求める共同声明を発表しました。


2023年7月26日

オオクチバス漁業権の返上に向けての山梨県の方針に対する共同声明

公益財団法人 日本自然保護協会
公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン
公益財団法人 日本野鳥の会
一般社団法人 日本魚類学会
全国ブラックバス防除市民ネットワーク(44団体)

我々自然保護団体と学術団体は、山梨県の河口湖、西湖、山中湖(以下、三湖)と神奈川県芦ノ湖において免許されていたオオクチバスに対する漁業権(漁業法第五種共同漁業権;基本的に10年ごとに切替え)が、2005(平成17)年に外来生物法が施行されオオクチバスが特定外来生物に指定された後も2013(平成25)年度の切替えで継続されたことから、本年2023 (令和5)年度に実施される切替えに際しては、生物多様性保全の観点から、継続して免許されることがないよう、両県に対し強く要請してきました。

その後の経緯として特記すべきは、2022年の外来生物法改正に対する国会の附帯決議において、オオクチバス漁業権の在り方の見直し、ブラックバス(オオクチバス、コクチバス)対策の方針の見直し、対策の実効性を高めることなど事項が盛り込まれた点、および改正された条文のなかで、定着済みの特定外来生物の防除に対する都道府県の責務規定が盛り込まれた点が挙げられます。

このような背景のなか、山梨県が2023年5月18日に示された内水面漁場計画案は、従来と変わりなく、三湖に対する免許を継続する内容でした。しかし、7月11日に開催された山梨県内水面漁場管理委員会(宮崎淳一会長)において、オオクチバス漁業権をなくしていくためのロードマップが県において検討されていることが明らかになりました。その概要は、放流量ないし産卵床数を段階的に減らし、山中湖は10年後の免許切替え時に、西湖はこの10年の免許期間中にも免許返上を目指す、河口湖はオオクチバスへの依存度を低減するというものでした。

我々自然保護団体と学術団体は、オオクチバスの漁業権は即時に返上されるべきとの考えに変わりはありません。しかしその一方で、山梨県と三湖の漁協がオオクチバスの影響と社会的な状況を踏まえて具体的な放流削減と漁業権の免許返上に向けたロードマップの作成と責任の所在を明らかにしようとされていることに対し敬意と一定の評価を示し、河口湖を含む三湖すべてにおいて極力早期に、遅くとも次の切替え時までにはオオクチバス漁業権を返上されるよう引き続き一層の努力を望むものです。今後、三湖におけるオオクチバス漁業権返上に向けたロードマップが早期に決定・公表され、山梨県および県内水面漁場管理委員会、環境省、水産庁の監督・指導のもと、確実に履行されることを強く要請します。

以上

参考:

写真:オオクチバス(環境省提供)

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