ホープスポットに認定された辺野古・大浦湾一帯の貴重な自然の保全を求める署名(追加1,798名分)を 日本政府と沖縄県に提出しました
ホープスポットを支持し、日本政府が工事を一時中止し環境調査を再度行うこと、沖縄県が自然を守る制度を設置することに対し、8月末までに新たに届いた計1,798名(インターネット319名、紙媒体1,479名)の署名を日本政府と沖縄県に届けました。
なお、2020年2月までにいただきました 24,235名の市民の署名はすでにお届けしています。
普天間飛行場代替施設建設事業の工事一時停止と環境調査の実施に関する要望書(日本政府宛)(PDF/121KB)
辺野古・大浦湾がホープスポットに認定されたことを受けて沖縄県による自然を守る制度の設置を求める要望書(沖縄県知事宛)(PDF/125KB)
2020年10月2日
内閣総理大臣 菅 義偉 様
内閣官房長官 加藤 勝信 様
防衛大臣 岸 信夫 様
環境大臣 小泉 進次郎 様
農林水産大臣 野上 浩太郎 様
沖縄・北方担当大臣 河野 太郎 様
沖縄防衛局長 田中 利則 様
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
普天間飛行場代替施設建設事業の工事一時停止と環境調査の実施に関する要望書
日本自然保護協会は、沖縄の生物多様性豊かな自然環境の保全に取り組んでいる立場から、以下の理由にもとづいて普天間飛行場代替施設建設事業の工事の一時停止と環境調査の実施を要望します。
この事業についての設計変更承認申請書を拝見しましたが、最近になり判明した軟弱地盤の実態や地盤改良工事の詳細が書かれていない、絶滅危惧種であるジュゴンの保護対策が不十分である、埋め立て資材に伴う外来種対策が考慮されていないなど、多くの不備があるものでした。
2019年10月には、米国のNGOミッションブルーにより、辺野古・大浦湾一帯がホープスポット(Hope Spot:希望の海)に認定されました。対象の範囲は、辺野古・大浦湾を中心にした天仁屋から松田までの44.5平方キロメートルの海域です。この認定により、辺野古・大浦湾の生物多様性やそれを育む地形の豊かさが改めて国際的に認められました。
今年2月までにホープスポットを支持し、日本政府が工事を一時中止し環境調査を再度行うことに対し寄せられた24,235名の市民の署名を8月21日にお届けしましたが、8月末までに新たに届いた計1,798名(インターネット319名、紙媒体1,479名)の署名をお届けいたします。
日本の財産である生物多様性豊かな辺野古・大浦湾の自然を守ることは日本政府にとっても重要なことであると考えます。工事の一時停止と環境調査の実施をしていただくようお願いいたします。
2020年9月29日
沖縄県知事 玉城 デニー 様
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
辺野古・大浦湾がホープスポットに認定されたことを受けて沖縄県による自然を守る制度の設置を求める要望書
私たちは日本の生物多様性豊かな自然環境の保全に長期にわたり取り組んできました。2019年10月に、米国NGOミッションブルーにより辺野古・大浦湾一帯がホープスポット(Hope Spot:希望の海)に認定されました。
自然破壊が進む辺野古・大浦湾では、工事実施区域の影響が周囲に及ばないよう保護を強化しておくことが必要であり、工事実施区域内で日本政府が自然破壊を止めない現状では、沖縄県の宝である辺野古・大浦湾を守るために、沖縄県によるいっそうの努力が求められます。
沖縄県の権限でかけられる保護の制度として、沖縄県文化財保護条例の天然記念物、ラムサール条約登録を見据えた鳥獣保護法の禁止区域の指定などがあります。チリビシのアオサンゴ群集や長島の洞窟など学術的に重要な対象については天然記念物の指定が適切であり、ラムサール条約潜在候補地である大浦川河口については同条約登録に向けた制度の適用が可能です。チリビシのアオサンゴ群集などの重要な場所については、保護制度の適用と同時にエコツアー事業者の環境保全利用協定の認定などで持続可能な利用を進めていくことも大切です。
今年2月までに寄せられたホープスポットを支持し、沖縄県による自然を守る制度の設置に賛同する24,235名の市民の署名を3月24日にお届けしましたが、8月末までに新たに届いた計1,798名(インターネット319名、紙媒体1479名)をお届けいたします。
私たちは沖縄県が保護の制度を適用し、チリビシのアオサンゴ群集、長島の洞窟、大浦川河口などの貴重な場所を工事の影響等から守っていただき、ホープスポットに認定された貴重な海を次世代に渡せるようにしていただくことを要望します。