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長島の洞窟の現地調査および天然記念物指定を求める陳情書を提出しました

2018.07.18
要望・声明

沖縄県にある長島は、現在沖縄防衛局が管理しているため市民は上陸もできません。

日本自然保護協会は地元の団体と一緒に、今年7月に実施された沖縄県議会に長島の洞窟の調査を実施し、沖縄県の天然記念物に指定してくださるよう陳情を出しました。

石筍にサンゴ礫が付着して成長する、日本でも希少な洞窟の調査が行われ、守られることを願っています。

長島の洞窟の現地調査および天然記念物指定を求める陳情書(PDF/144KB)


2018年6月21日

沖縄県議会議長 新里 米吉 殿

 

長島の洞窟の現地調査および天然記念物指定を求める陳情書

 

名護市東海岸エコツーリズム推進協議会
代表 島袋 正敏
北限のジュゴン調査チーム・ザン
代表 鈴木 雅子
ヘリ基地いらない二見以北十区の会
代表   浦島 悦子
代表 渡具知 智佳子
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

 

私たちは辺野古・大浦湾の生物多様性豊かな自然環境の保全に長期にわたり取り組んでおり、その立場から意見を述べます。

2014年7月に、洞窟学、環境動態解析、およびカルスト・システム学専攻の2名の専門家により、長島の洞窟が、鍾乳洞であり、石筍にサンゴ礫が付着して成長している現象が日本での報告例が少なく、希少性が高いと判断されました。

この洞窟を調べることにより、長島や辺野古周辺の地域の数万年から十数万年にわたる海面変動に関連した自然史を解明できる可能性が高いことから、その年代を確定するために、鍾乳洞や固着したサンゴ礫の年代測定をすべきであるという助言をいただきました(浦田健作、2014)。

また、一般にこのような洞窟には光が乏しいことから、特殊な環境に適応した生物(例えば、真洞穴性や好洞穴性生物)が生息していることが知られています。長島の洞窟は、地理的に隔離分布しているため、ここだけに生息して固有種化している生物の生息の可能性が高いと考えられます。

長島は米軍普天間飛行場代替施設建設事業予定地の近くに位置しているため、工事の影響を受ける可能性が高く、また気候変動による海域全体への影響も考えられるため、沖縄県が洞窟を調査し、それにもとづいて天然記念物に指定して、保護していくことを要望いたします。なお調査の際に日本自然保護協会も同行させていただけますと幸いです。

 

<参考資料>

日本自然保護協会(2014年)記者会見資料.
沖縄・辺野古/ジュゴンの新たな食痕、わずか2ヶ月で110本以上の記録、日本初のサンゴ礫付着成長の鍾乳石が発見されました!(PDF/2.6MB)

琉球朝日放送(QAB)2014年7月15日放送「長島で貴重な鍾乳石発見!」
http://www.qab.co.jp/news/2014071556056.html


長島洞窟写真1

長島洞窟写真2

長島洞窟写真3

▲ 洞窟内部の様子(写真はいずれも藤田喜久氏の撮影)

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