「玉川上水ネット」の活動がプロジェクト未来遺産2016に登録されました。
事務局長の鶴田です。
1月28日、武蔵境の武蔵のスイングホールにて、「プロジェクト未来遺産2016」の登録証授与式が開催され、お祝いのご挨拶に伺いました。
プロジェクト未来遺産は、地域の豊かな自然や文化を100年後の子どもたちに残すために、毎年、地域の市民団体が取り組む活動を、(公社)日本ユネスコ協会連盟が『プロジェクト未来遺産』として選出し、今年も全国から5つのプロジェクトが登録されました。
28日には、東京の玉川上水ネットのみなさんの活動「玉川上水・分水網の保全活用プロジェクト」の登録証授与式と記念講演会が行われました。
玉川上水ネットは、江戸時代に開削された玉川上水・分水網の保全活用に取り組む関連団体のネットワークで、現在23団体6個人の市民団体が連携して、活動しています。
武蔵野の原風景を留める、上水と分水網流域の自然環境と歴史・文化的な景観の総合的な保全活動や、次世代への普及教育、自然観察会や調査活動など、幅広い活動を展開されていることが評価され、今回登録となりました。
中でも、各団体で自然観察指導員の方々が日々観察や調査で大変活躍され、多くの貴重な記録や資料もつくられ、観察会の実践と、市民科学の普及において、大変大きな役割をされています。
日本自然保護協会からの推薦も登録へのお役に立てたことを、玉川上水ネットの代表の柴俊男さんから伺い、大変嬉しく思いました。
未来の世代に向け、都市の中で43キロの水と緑の回廊の保全を目指すため、多摩の羽村から皇居のお堀までの通水を実現し、歴史と環境を保全し続けたいという熱意が会場を沸かせていました。
流域の11の自治体の長からも祝辞やメッセージが贈られ、都市計画の中においても、その保全価値を広く認めさせていく力になってきています。
日本ユネスコ協会連盟の未来遺産委員でもある、琉球大学名誉教授の土屋誠さんから、登録証が授与され、記念講演会も行われました。
世界自然遺産の世界的な登録状況の推移や、生態系サービスの評価など、自然保護とその社会的価値の講演に、会場へ集まられた方々も聞き入っておられました。
今後も、末永く保全活動が進められ、未来の世代に東京の緑と水の回廊が残され、都市における身近で貴重な生物多様性の源となることを期待しております。