沖縄県知事・翁長雄志氏にIUCN第6回世界自然会議の結果を受けての要望書を提出しました。
2016年10月 24 日
沖縄県知事 翁長 雄志 様
ジュゴン保護キャンペーンセンター
代表 海勢頭 豊
Okinawa Environmental Justice Project
代表 吉川 秀樹
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
IUCN第6回世界自然会議の結果を受けての要望書
沖縄の自然を守るために、いつもご尽力いただきありがとうございます。
今年9月にハワイで開催されたIUCN(国際自然保護連合)第6回世界自然保護会議にて、私たち環境NGOが提案した勧告「島嶼生態系への外来種の侵入経路管理の強化」が採択されました。この勧告は辺野古の埋め立て土砂の問題にとって大きな力となるばかりではなく、今後、世界自然遺産登録を控えて観光活動が盛んになる沖縄の将来にとって重要な外来生物対策全般にわたる内容です。勧告採択を受け、会議の場にてIUCN種の保存委員会・侵略的外来種グループ長のピエーロ・ジェノベッシ博士など複数の専門家のアドヴァイスをいただきましたので、以下にその内容をお伝えし、その実現を強く要望いたします。
1.生物多様性関連の国際会議を沖縄で行うこと
第一に国際会議を沖縄で行うことにより、地元への経済効果があがります。そして世界のトップクラスの専門家と地元の専門家や市民とのつながりができるため、沖縄の専門家や市民の専門的知識が向上し、また得られる人脈をもとに将来的にアドヴァイスを得ることができます。さらに、世界の専門家に沖縄が抱える自然保護の現場をご覧いただくことができます。
ハワイで行われた会議においても、参加者の多くはハワイの方々で、世界各地から参加した専門家に現場を案内して日夜議論を進めたことが大きな刺激となり、ハワイ州にとって大きなプラスとなりました。
沖縄にとっても、大きな財産になると思われますので、IUCN世界自然保護会議、生物多様性条約会議、生物多様性条約の科学技術助言補助機関(SBSTTA)などの生物多様性関連の国際会議を沖縄で行うように要望いたします。
2.世界自然遺産登録に先立つIUCN専門家の現地視察
UNESCOが世界自然遺産に登録するプロセスの一環をIUCNが担っており、登録年の前年に世界自然遺産の専門家が現地に視察に来ます。現在手続きが進められている奄美・琉球諸島についても同様です。その際にIUCN・侵略的外来種グループ(ISSG)から外来種の専門家を派遣し、IUCNの視察に同行いただく可能性について伺ったところ、地元から要望があれば検討できるとのことです。
沖縄県にはぜひ、IUCNに対してIUCN・侵略的外来種グループ(ISSG)の外来種対策の専門家の同行を依頼していただきたく要望します。