赤谷の「ほ乳類調査」を実施しました。
エコシステムマネジメント室の朱宮です。
10月3日~4日に、赤谷の「ほ乳類調査」を実施しました。6月に交換したセンサーカメラのデータ収集と、シカによる影響を測定するための植生調査を行いました。台風18号が接近しており、天候と調査の進捗を気にしながらの二日間となりました。
今回、木村さんと平川さん、伊藤さんにもお手伝いいただきました。センサーカメラは全部で50個設置されているので、手分けをして3日がかりで交換していきます。センサーカメラは、野生動物の動きを感知して自動撮影する装置で、赤谷にくらしている動物たちのようすをとらえてくれます。森の中に設置してあるので、時々場所がわからなくて苦労することもあります。また、三国峠から大源太山を経て赤谷橋まで行くルートは完全に山登りのため、わずか7つですが、このセンサーカメラのデータ回収は大変な作業です。
三国峠からセンサーカメラがとらえた動物たちのデータ回収に出発するNACS-J松井と木村さん。
シカによる影響を測定するための植生調査は、シカ柵を設置した10m×10mと、隣接する10m×10mのプロットで行っています。それぞれのプロットで、見られた植物の種類と被度、シカによる摂食率などを植物の高さごとに記録しています。特に、シカの摂食が予想される高さ2.5mまでは0.5mずつに細かく区切って摂食率を記録しています。
写真は小出俣の最奥に設置したプロットです。シカの目だった食害はまだ現れていませんが、コマユミなどに一部摂食痕が観察されました。今後の変化が気になります。
データの詰まったセンサーカメラを、持っていった新しいセンサーカメラと交換していきます。シカの道を判別してシカが通過することを予想して角度などを調整します。今年はクマが多く出没しているようで緊張しながらの交換となりました。持って帰ったカメラは、データを取り出し、整備してまた次の交換に備えます。