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【自然のちからニュース】東京の都心で実施したコウモリウォッチングを通じて連携の輪が拡がる。

2016.10.14
活動報告

NACS-Jは、東京の御茶ノ水にある「ECOM駿河台」を拠点に三井住友海上保険株式会社と共催し、昨年度に引き続き、「生きものさがし自然塾」を都心の小学生を対象に開催しています。

今年も昨年に引き続き、コウモリの会の三笠暁子さんたちにご協力いただき、8月23日(火)にコウモリの観察会を行い、お茶の水聖橋の周辺で活発に飛び交うアブラコウモリを観察しました。そして今年はコウモリの観察だけでなく、バットボックス(巣箱)づくりも企画し、参加した小学生7名が一生懸命組み立ててくれました。

201608_P8241266☆batboxwark.JPG△杉板を組合せ、ネジでとめ組み立てました。

この巣箱は、アブラコウモリが昼間に休息したり、繁殖や子育てをするために使われるもので、隙間の少ないコンクリートの建築物が多い都市空間で、コウモリの生息を補助するためのものです。

ヨーロッパなどの海外では、野鳥の巣箱と同様に普及しており、その寸法や形状を参考にコウモリの会で準備してくださいました。

コウモリは一晩で約500匹の虫を食べるといわれており、都会に生息するアブラコウモリも自然のバロメーターであり、ユスリカや蚊などを食べてくれる益獣でもあるのです。日本では、コウモリに対して吸血鬼ドラキュラにまつわるイメージがあるため、嫌厭(けんえん)されことも多く、この巣箱づくりにはコウモリのイメージを変えることも目指して企画しました。

ちなみに、コウモリは日本に生息する哺乳類のなかで一番種類が多く、37種類のコウモリが生息しているといわれていますが、その半数以上の種は絶滅の危機に瀕しています。

完成した4つの巣箱は、千代田区による大学・企業・NGO・行政機関が集まる環境連携会議の場で、巣箱の設置を相談したことをきっかけに、(公財)東京都公園協会の協力のもと、東京都に設置許可申請をして、日比谷公園に設置させてもらうことができました。

日本初の都市公園として歴史ある日比谷公園は、樹林や池があり、そして皇居のお堀が近いこともありアブラコウモリの飛んでいる姿をよく観察できます。

201609_巣箱3-2.jpg△日比谷公園の建物や樹木にコウモリ巣箱を設置しました。コウモリが利用した場合、昼間は静かに休息しているため、驚かさないようにそっと観察するようお願いします。

また、日比谷公園では9月17日に、NACS-Jとソニー株式会社が協働ですすめている「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」で観察会「コウモリウォッチング」を9月17日(共催:東京都公園協会)を開催し、親子34名の方と一緒に、コウモリの生態を学びました。

201609_P9171278トリミング.jpg△コウモリの超音波をとらえるバットディテクターを手に飛び交うアブラコウモリを観察。飛んでくるのが見えると歓声があがります。

都会でも生息する野生生物を通じて、企業はじめ行政など様々な関係者との連携が深まりました。今後、コウモリがこの巣箱を利用してくれ、バーチャルなモンスターではなく本物の生きものに、子どももおとなも関心を持ってくれることを期待しています。

ご協力いただい企業や関係団体のみなさまに心から感謝いたします。ありがとうございました。

今回ご協力いただいた皆様のウェブサイトをご紹介いたします。

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自然のちから推進室 担当:大野
TEL:03-3553-4101

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