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緊急避難させた湿地の植物のゆくえ(その6)

2016.05.10
活動報告
icon_watanabe.jpg 会員連携室の渡辺です。
 
4月26日~28日、エコシステムマネジメント室の朱宮と、宮城県南三陸町寺浜地区で進めている湿地植物(ミズアオイやミズオオバコ)の保全作業に行ってきました。
※これまでの活動の経緯は、「被災地で緊急避難させた湿地の植物のゆくえ(その1~)」をご覧ください。
 
 
夏に可憐な花を咲かせるミズアオイやミズオオバコ。今は泥の中で種が眠っている時期。今回は、移植先の湿地にびっしりと生い茂ってしまっているヨシやガマを抜き、湿地の状態を戻す作業をしました。
 
 

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▲すっかりヨシとガマが生い茂ってしまっている湿地。どこから手をつけようか一瞬怯んでしまったが、とにかく地道に作業するしかない。
 

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▲慣れない草刈り機でヨシを刈る朱宮。
 

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▲今回も、一緒にこの活動を進めてくださっている宮城大学の神宮字先生とゼミの学生さんたちが作業を手伝ってくれました。
 
 

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▲南三陸は春まっさかり。新緑の中を桜の花びらが舞い落ちる、そんな風景を見ながらの作業は、なかなか気持ちがいい!

 
 

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▲ひと通り草刈が終わった後は、水を引き、地元の方にも協力いただき、トラクターでヨシやガマの根を掘り起してもらいました。
 
 

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▲最後は、ヨシやガマの根を泥からつかみ出す地道な作業。
 
 

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▲湿地復活! 最終日はあいにくの雨。日本自然保護協会の事務所があるビルの屋上で試験的にミズアオイやミズオオバコの生息域外保全を行うために、湿地植物の種が混じっているであろう泥をすくう朱宮。

 


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▲事務所の屋上に運ばれた湿地の泥。ここからどのくらい湿地植物が芽を出してくれるかな。

 
作業中、すぐ近くの道を散歩されている方から「何をしているの?」と聞かれたので、ミズアオイやミズオオバコのことを教えると、「そんな貴重な花が波伝谷あたりにあったなんて全然知らなかった」と、2種の名前を丁寧にメモされ、「波伝谷のあたりは、震災前は小さな道のまわりにいろんな花が咲いていてそれを見て散歩するのが楽しみだんただけど、今は、復興道路とか防潮堤の建設で、震災前の風景も花もなくなっちゃったから寂しく思ってたの。このあたりはよく散歩にきているから、これからちょくちょく花の様子をみにきてみるわね! 楽しみができて良かった!」と、嬉しそうにおっしゃってくださいました。
 
2年目の去年、順調に個体が増えていたミズアオイ。今年はどのくらい花を咲かせてくれるのか、私も夏が楽しみです♪
 
 

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▲ミズアオイがあった波伝谷地区付近。復興道路や防潮堤の建設が着々と進んでいる。
 
 
 
さて、話は小さな湿地植物から大空を飛ぶイヌワシにかわります。
南三陸町にはイヌワシのつがいが暮らしていたのですが、2011年以降確認されなくなってしまいました。日本自然保護協会では、この南三陸町にイヌワシを復活させるプロジェクトを林業家やNPO団体、地権者などと進めています。
湿地の復元作業の前に少し時間があったのでイヌワシが暮らしていた山の上に行ってみました。
 

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「このあたりにイヌワシが住んでいた」と朱宮から教えてもらってびっくり!
そこは、とても素敵な里山の風景が広がる場所でした。
イヌワシというのは山奥に住んでいるもの、と思っていたので、こんな人里の上をイヌワシが飛んでいたということが信じられませんでした。
 
山菜とりにきていたおじさんや民宿の方も口々に「イヌワシがいたのはもちろん知ってるよ」「子どものころからよく頭の上を飛んでいるのをみていたもの。イヌワシは普通に見られる鳥だと思っていた」とおっしゃるので、これまたびっくり! 南三陸町の人にとっては、まるでトビのような身近な鳥のような存在のようです。
 
この里山の空をイヌワシが飛ぶ姿を、また地元の方々にみられる日がくるよう頑張っていきたいと改めて思いました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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