南三陸でイヌワシが暮らせる森づくり活動をはじめています。
エコシステムマネジメント室の朱宮です。
3月24日アウトドアメーカーのパタゴニアが主催する宮城県南三陸町境の分水嶺にある火防線の刈り払い作業に参加しました。
ここは、林業家、NPO、地権者と日本自然保護協会も参加してイヌワシの復活プロジェクトを進めている場所です。ここにはイヌワシのつがいが暮らしていましたが、2011年以降、確認されなくなっています。この地域のイヌワシは、人の生活環境にとても近いところで共存していたと考えられています。地元の方々もイヌワシは「いて当たり前のもの」という認識で、実際には2011年以降いなくなったことを伝えるとびっくりされます。
この点は、赤谷のイヌワシとまったく違うところです。そして火防線の整備や薪炭林利用、放牧地など積極的に人が山に入って利用してきた中で、草原が維持され、えさとなるノウサギなどが維持されていたとも考えられています。森林の非活用がイヌワシの繁殖にとって悪影響を与えているようです。
パタゴニアは、トレイルランニングのコースを作る中で刈り払い作業に協力しています。刈払いをすることで、森の中に空間が生まれ、イヌワシが狩りをできる環境となり、イヌワシの保全にも繋がるということで社会的な意義が事業であるとして企画したとのことです。トレイルランニングについても繁殖期のコースの利用、ルート設定などについては、最大限に配慮されることになります。
当日はパタゴニア社員ら11人が参加しました。今回の作業は地図の南側翁倉山周辺で行われ、約500m進みました。分水嶺は約40km以上になるので、まだまだかかりそうです。