「IUCNグリーンリスト」ってご存知ですか?
エコシステムマネジメント室・国際担当の佐藤です。
強い雨の降りしきる中、ハノイに向かって移動しています。「IUCNグリーンリスト」という仕組みに関するワークショップに参加する予定です。
自然保護に関心のある方なら、一度は「自然の守り方」について考えたことがあるのではないかなと思います。例えば、自然観察指導員に親しみがある人であれば、「自然の大切さを伝えて、自然を守る心を育てること」が真っ先に挙がるかもしれません。
私にとって一番わかりやすいのは、守るべき土地を決めること(=保護区を作ること)です。どんなに技術が発展しても、地面と自然が切り離せない以上、最終的には「守るべき土地を決める」に行きつくという点でも明快かなと思っています。
今回のテーマとなっている「IUCNグリーンリスト」は、この「守るべき土地=保護地域」を認定する仕組みの名前です。保護地域の認定と聞いて、有名な仕組みといえば、「世界自然遺産」や「ユネスコエコパーク」などかなと思います。
世界自然遺産は、世界で唯一無二の価値があるとみなされる場所を認定し、ユネスコエコパークは、自然の保護だけではなく、人間と自然社会の共生に重点が置かれた場所を認定しています。
では、「IUCNグリーンリスト」はどのような場所を認定しているかというと、「効果的な保護地域管理がされている場所」を認定します。極端な例を挙げれば、どんなに自然の価値が高くても、そこを守る仕組みがしっかり出来て、運用されていなければ、IUCNグリーンリストには認定がされません。
この仕組みは、2003年の世界公園会議の際に、はじめて「保護地域管理の効果を評価すること」の重要性が議題となった際にアイディアが生まれ、2012年の第5回IUCN世界自然保護会議の際に本格的な検討が始まりました。現在、8か国から24か所の保護地域が選定されています。
今回のワークショップでは、アジア地域で既に導入をしている国々(ベトナム・中国・韓国など)から先進的な事例を学び、日本での仕組み構築を目指し情報収集・アクションプラン作りをする予定です。
これから1週間、少しずつグリーンンリストやワークショップに関する報告をしていきます!
※今回の出張・情報収集は、独立行政法人環境再生保全機構・地球環境基金の助成を受けています。