ユネスコエコパークに登録された綾町。役場の体制や管理運営計画の素案ができあがりました。
エコシステムマネジメント室の朱宮です。
3月8日は第5回綾ユネスコエコパーク専門委員会が綾町役場で開催されました。
2012年にユネスコエコパークに登録され、ようやく役場の体制や管理運営計画の素案ができあがってきました。1月から続けて開催された3つの専門部会、すなわち生物多様性保全部会、調査教育部会、地域づくり部会において検討された綾ユネスコエコパーク管理運営計画を専門委員会でさらに検討し、3月の役場内での幹事会及び幹部会で決裁をとりたいと思っていたのですが、もう少し修正が必要との結論になりました。
主な意見は、イントロダクションが長すぎる、管理運営計画の目的をはっきりと記載する、次回の定期報告を提出する2023年までのマイルストーンを記載する、実施計画や評価についてはもう少し詳細に記載する、町の総合計画や生物多様性地域戦略などとの位置づけを明確にするなどがありました。組織体制において綾プロとの並列関係が意志決定の上で妨げになるのではないかとの懸念も出ました。
綾町役場ではこの体制に落ち着くまでも試行錯誤を続けており、しばらくはこの体制で実施してみることになります。市民の巻き込みに関しても記載が少ないので追記するように指摘しました。早く体制が落ち着き、具体的な活動が活発になることを期待しています。
綾町では毎年2月末から3月3日までの間雛山まつり(上写真)が開催されます。ひな壇の周辺にコケ類や木本類を配置し、水の流れを再現したりしてたいへん立派なものです。準備に一ヶ月間を要するなど手間暇をかけています。
それだけ地域で生まれた女の子を大切にしてきたともいえますが、以前は数家族で行われてきたものが、今では町のおまつりイベントとして20カ所で同時に開催されており、自然へのインパクトも無視できないものとなっています。
そこで、ユネスコエコパーク推進室ではまつりが終わった後にコケ類を回収し、養生して採集された場所に戻す取組を開始しています。すでに個人的に養生をして昨年のコケ類を今年の雛山まつりで使用するなど持続可能なものとなるような取組が一部では行われていたそうですが、町が積極的取り組もうとするものです。今後の進展が期待されます。
▲雛山まつりで採取されたコケ類を採取地に戻すための取組