辺野古の埋め立てのために壊される奄美の山と海…奄美沖合で潜水調査を行いました。
辺野古の埋め立て計画には、大量の土砂(2100万立方メートル、東京ドーム17個分)が必要です。
奄美大島で最大の採石場である奄美市住用町もその土砂調達予定地の1つです。
土砂を採る際に植生を剥ぎ裸地化した山や一時的な土砂置き場から、雨が降ると赤土や泥が海に流入し、サンゴ礁の海に影響が及びます。
▲採石場の様子。
昨年5月と12月に奄美市の沖合で潜水調査を実施しました。その結果、陸地に最も近い、つまり採石場直下に位置する場所は、泥が多く、生きているサンゴの上に泥が積み重なってサンゴがエサをとれなくなり死滅している様子があちこちで確認されました。
一方で3.8㎞ほど沖合のトビラ島周辺に潜ってみたところ、この辺りのサンゴ群集は被度40%あり、とても豊かで健全なサンゴ礁でした。
しかしながら随所にうっすらと土砂が積もっている様子も見られたので、今の状況が続けば沖合にまで土砂が到達するのも時間の問題であることが予想されます。土砂の発生源の特定と原因を取り除くことが必要です。
▲海の中の様子。泥が積り、サンゴが死滅していた。
奄美の山を削って辺野古の海を埋める、つまり絶滅危惧種であるアマミノクロウサギをはじめとする生きものたちの生息地を奪い、同じく絶滅危惧種であるジュゴンをはじめとする多くの生きものがすむ場所を破壊するということは許されることではありません。
奄美大島だけではなく、小豆島、五島、天草など多くの場所からの土砂の採取が予定されています。辺野古の埋め立て計画を進めることは日本の自然環境に広く影響を与えることになります。
安部真理子(保護室)