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中池見湿地の水源の山「深山」の周辺の水環境を見てきました。

2016.02.03
活動報告

icon_m_fukuda.jpg 市民活動推進室の福田真由子です。

福井県敦賀市にあるラムサール条約湿地「中池見湿地」には、現在北陸新幹線の開発計画があり、2012年に認可されたルートよりも湿地の影響を減らしたルートが2015年5月に認可されました。

しかし、このルートでも湿地の水源の山「深山(みやま)」をトンネルで貫通します。

2015年5月に事業者によって工事による中池見湿地の水環境の変化を把握するために条約湿地内のモニタリング調査計画が公表されましたが、条約湿地の外側は調査計画に入っていませんでした。

工事による深山の水環境の変化を把握するにはもっと広域に変化を把握しておく必要があるのではないかと考え、普段はいかない深山の外側の水環境について中池見ねっとの上野山さんと1月28日に見てまわりました。大きな流れは2箇所ありました。

20160203nakaikemi_fig.jpg

深大蔵寺裏の水

2015年認可ルートの深山トンネルの駅側の出口予定地の近くに大蔵寺というお寺があります。その裏に深山からの表流水が集まった流れがあり、一部が大蔵寺の池に入り、そのほかは近くの田んぼに利用されていました。

大蔵寺の裏手を歩いていくと、この流れに調査会社が設置した水量計がありました。トンネル工事によって深山の水が抜けた場合は、標高の低い大蔵集落側に水が出ると予想されます。新幹線の事業者がこの機械を設置したのかは確認できていませんが、重要な水環境の調査がなされていることがわかり安堵しました。

20160203nakaikemi_1.jpg▲大蔵寺

20160203nakaikemi_2.jpg▲水量計

深山寺の水

深山の山腹には江戸時代に集落と深山寺があり、昭和49年に北陸自動車道建設で深山が削られることになり、深山寺が山の麓に移転してきたと、地域の人から伺いました。

深山寺には、弘法大師が杖で突いた場所から水がでてきたという湧き水があり、現在では北陸自動車道建設のために、移転した深山寺にパイプで引いています。この水は「弘法大師の手杖の滝」として祭られ「飲むと子どもが授かる」ということで地域の方に大切にされています。

パイプの元の湧き出しているところは北陸自動車道の裏斜面となり確認できませんでしたが、地域の方に伺っても測定器はついていないようでした。

2015年認可ルートは2012年に認可されたルートよりも深山寺に近くなったため、地域の方もこの水の変化について心配されています。今後はこの水についても把握が必要そうです。

20160203nakaikemi_3.jpg▲深山寺

                          

20160203nakaikemi_4.jpg▲弘法大師の手杖の滝

そのほかは、山裾にはたくさんのところで水が染み出している場所がありますが、計れるような流れは今回把握できませんでした。

地域では中池見湿地内の保全活動で人も予算も手いっぱいな状況の中で、工事による中池見湿地やその周辺への影響をどう市民で負担なくできるのかが、大きな課題です。

すぐに答えは出ませんが、地元市民団体の方とともに考えていきたいと思います。

20160203nakaikemi_5.jpg▲雪の中池見

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