「木曽悠久の森」コア・エリアの保護林化が決定!
ヒノキやサワラの大木が今も自生する、長野県(木曽谷)と岐阜県(裏木曽)にまたがる木曽の森。「木曽五木」といわれる林業上の有用樹を含む温帯性針葉樹が育つこのような森は、世界的にみても大変希少なものであり、今残るものの厳正な保護とかつての森への再生修復が急がれています。
自然保護側からの働きかけに対し、木曽の国有林を管理する林野庁の中部森林管理局は、木曽地方における天然ヒノキ、サワラなどで構成される温帯性針葉樹林の保存・復元に向けて取り組む「木曽悠久の森」(約1万6600ha)を、2014年4月に設定しました(参考記事:会報No548特集)。
この取り組みの具体的な中身をつくるための管理委員会は約2カ月に一度のペースで開かれ、NACS-Jも参加しています。この中で、「木曽悠久の森」のうち、残存する自然林を時間をかけて再生修復し、もとの森の姿の復元を目標にしているコア・エリア(10,400ha)を、林野庁が昨年改定した新たな保護林制度による保護林にしていくことが話し合われました。赤谷川上流で進める赤谷プロジェクト・エリア(群馬県みなかみ町)の10㎞四方とぼぼ同じ大きさです。
その結果、ここを「木曽生物群集保護林」にすることとし、今年の4月1日を目標に設定作業を進めることが決まりました。「生物群集保護林」とは新たな保護林の種類で、その第一号になる予定です。「木曽生物群集保護林」は、「木曽悠久の森」管理基本計画*に沿って保全管理され、復元計画の中核地になっていきます。NACS-Jの会員の皆様はじめ、関心を持たれる方々との視察会を企画したいと思っています。
*「木曽悠久の森」の管理基本計画書は、下記で閲覧できます。
http://www.rinya.maff.go.jp/chubu/press/kouhou/pdf/chicanbesatsu.pdf
▲図出展:林野庁中部森林管理局資料
▲木曽の天然ヒノキ巨木(およそ400年生)