沖縄で開かれた学会で「人と自然のふれあい調査」の可能性について発表。辺野古の様子も見てきました。
エコシステムマネジメント室の朱宮です。
11月22日、琉球大学で「野生生物と社会」学会があり、「地域の保全活動を結ぶ市民調査」の可能性というテーマセッションの中で『「人と自然のふれあい調査」の実践とその可能性』というタイトルで発表をしました。
テーマセッションは、最初に泡瀬干潟を守る連絡会の前川誠治さんから「泡瀬干潟における市民参加による総合調査とその可能性」ということで発表がありました。泡瀬干潟は、結局埋め立て工事が行われてしまいましたが、当初の工事計画に比べれば発見された海草藻場の半分近くが残されました。これには市民による調査が大きく貢献しました。
私からは、日本自然保護協会が進めてきた「人と自然のふれあい調査」について報告するとともに綾町の上畑地区での取組の事例を報告しました。
「人と自然のふれあい調査」はこれまで綾町では外部あるいは為政者による取り組み(照葉樹林都市、綾の照葉樹林プロジェクト、綾ユネスコエコパーク)が、いわばトップダウン的に枠組みを決め環境をキーワードにして行われきた一方で、市民調査というゆるやかな縛りの中で、環境を前面に出さずに地域での暮らしや文化など地域が大切にしてきたことについての調査を市民が選択し取り組んできたという意味において、これまでにない方向性を示したのではないかと報告をしました。
▲「人と自然のふれあい調査」を実施した地域
次の日は学会をさぼって安部さんと辺野古に向かいました。
基地の前には警備の警察と基地建設に反対する市民が道路を隔てて対峙していました。
テント村では沖縄生物多様性市民ネットワークの吉川さんがドキュメンタリー映像の取材を受けていました。最初は3年だと思っていた反対運動も10年以上に及んでいるとのこと。
いろいろな矛盾が同居するのが、基地の島沖縄であると、実感しました。
▲キャンプシュワブのゲート前
▲テント村の様子 休日のためか訪問者がひっきりなしでした。
▲近くのカヌチャリゾートからのキャンプシュワブ ここにいるとこんなに近くで反対運動が行われていることなど実感できない。
▲沿岸に設置されたフロート。一個3万だそう。
▲大浦川河口のメヒルギのマングローブ林に設置された歩道 必要なのか?名護市指定文化財(天然記念物)。
▲嘉陽に設置された防潮堤 景観に配慮してサンゴで作られ、コンクリートも環境にやさしいもの。