辺野古のサンゴ礁、水質、ジュゴンの利用状況の調査結果。
▲リーフチェック調査の様子。
サンゴ礁の調査は、今年は1月と9月にサンゴ礁の健康度を測るリーフチェック調査を辺野古沖にて実施しました。辺野古沖のサンゴ類の平均被度が40.1%と記録され、前回の調査と変わらぬ健全な状態であることが確認されました。
水質調査の方は専門家(田代豊先生・名桜大学)にご協力いただき、1~2カ月に1度、解析していますが、今のところ大きな変化はありません。
ジュゴンの食痕については、2014年5~7月の期間に頻繁に見られていた大浦湾シュワブ側は今は臨時制限区域として立ち入りが禁止されたため調査ができない状態です。
臨時制限区域の外に頻繁に見られていた瀬嵩と大浦湾奥については、昨年8月以降は食痕が見つからずジュゴンの利用記録がない状態です。
しかし、埋め立て予定地からは離れたチリビシのアオサンゴ群集の下部に位置するトゲウミヒルモ藻場において今年4月と5月にはジュゴンの食痕が確認できました。
海草の季節の終了に伴い、8月の調査時にはジュゴンの食痕は再び確認ができなくなりましたが、またこの海域を利用する可能性はあります。
2014年に学術的に大変価値の高い鍾乳洞であることが分かった長島の洞窟についても詳細な調査をNACS-Jは希望し、利用申請書を長島の管理者である沖縄防衛局に出し続けているのですが、回答がない状態です。
翁長県知事は、10月13日に普天間代替施設建設事業の埋め立て承認の取り消しを行いました。NACS-Jはこれを支持し、事業の中止を求める要望書を提出しました(要望書の詳細は→https://www.nacsj.or.jp/archive/2015/10/579/)。
★9月13日に「辺野古の海の生物多様性を伝えるシンポジウム」を実施しました。資料や動画が以下からご覧いただけます。
https://www.nacsj.or.jp/archive/2015/08/577/
(保護室 安部真理子)
▲ヤコウガイほか、ブダイ、チョウチョウウオなども多く記録された。