綾の照葉樹林プロジェクトでボランティア間伐作業の内容について検討しています。
引き続き、エコシステムマネジメント室の朱宮です。
10月14日~15日は、宮崎県で綾の照葉樹林プロジェクト調整会議に出席しました。11月27日に恒例のボランティア間伐作業の行事があり、その打ち合わせが主な目的のものでした。
綾南川沿いにある川中神社の周辺に10ha程度の見本林を設定し、そのエリアで市民に参加してもらい間伐体験を行っています。今回は地元の国富町に工場がある企業の社員とその家族が参加する予定になっています。しかし、見本林はエリアが限られていて毎年実施しているため徐々に間伐が実施できるスギやヒノキがなくなってきました。
今回も3年前くらいに実施した場所でもう一度行うことになり、30人程度が参加しますが、全員に伐ってもらう余裕はなさそうだとのこと。少し議論になりました。―――――そもそも、間伐体験は森づくりの一過程にしかすぎない。一時的な体験にはなるが学びは少ない。間伐体験だけでなくトロッコ道の修復、昔の林業集落の活用など多様なプログラムがあってもよいのでは。間伐をして復元しているというがモニタリング調査の結果では未だに侵入木が少ない状態で復元の状況を実感できない。綾プロでは基本的に植樹によらない復元を基本方針としているが実験的な位置づけにして植樹などの方法も検討してはどうか。―――――――――――など、復元が実感できる仕掛けを工夫する必要性があるのではないか意見がでました。
この10年たしかに検討の場づくりやシンポジウム、ユネスコエコパーク登録など成果がありましたが、一般の方にはまだまだ知られていません。綾プロからの積極的な情報発信、環境教育プログラムの充実、市民参画の森づくりなど課題があることが確認されました。
翌日は秋晴れの気持ちのよい日となりました。大森林道周辺に綾プロは開始される2005年以前に設置されたモニタリングサイト+シカ柵の状態を確認に行きました。10年生、15年生の二次林と保護樹帯と両側の人工林を含むモニタリングサイト+シカ柵が設置してあり、10年が経過しているので、変化の状態を確認するため来年モニタリングを調査を予定しています。2つのシカ柵はネットの損傷も少なくモニタリングできそうですが、人工林のシカ柵はシカの角が絡まったり、落枝などにより損傷し、再設置する必要がありそうでした。モニタリングサイトを維持するのもなかなか大変なことです。
さ▲10年経過したシカ柵の様子
▲開けた場所に咲くセンブリ