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第2回 会報「自然保護」表紙フォトコンテスト 結果発表

2015.10.30
活動報告

第2回 会報「自然保護」表紙フォトコンテスト 結果発表

 

去年に続いて、第2回目のフォトコンテストを開催し、今年は117名の方から、自然をしっかり見つめているからこそ生まれた合計350作品を送っていただきました。

また、たくさんの方がNACS-Jの広報・普及啓発活動に無償で作品を使用してもよいと、ご了承くださいました。ご応募・ご協力、誠にありがとうございます。

これから1年、受賞作品が表紙となった会報が会員の皆様に届きます。どうぞお楽しみに!

審査員
●会報編集ワーキンググループ
大橋禄郎(大橋予暇研究所主宰。水中写真専門誌『マリンフォト』(水中造形センター)創刊時の企画、編集にかかわる。年に数回、写真教室を各地で開催。)
土居秀夫(編集者。動物・自然史『アニマ』元編集長)
保屋野初子(環境ジャーナリスト、NACS-J理事)
●NACS-J 鶴田由美子(事務局長)
増沢有葉、田口裕美子、渡邉聡子(編集室)

講評:大橋禄郎

優秀賞(会報表紙賞) 

 

森 繁寿【エゾリス】


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リスの定番的なポーズですが、警戒心を解いて摂食する表情が和やか。このくつろぎの瞬間を見逃さなかった撮影者の瞬発力を感じます。背景のイチョウもステージ的な効果となって、季節感を演出しています。

重田幾男【ベニマシコ】


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赤ら顔のベニマシコの決めポーズが、望遠レンズによる背景のボケ効果によって、いっそう際立ちました。セイタカアワダチソウの種子を食べる生態描写と、両者をカラーコーディネートした美的表現とが作品化されています。

小田幸司【モンシロチョウ】


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おなじみのチョウを斬新なアングルでキャッチ。逆光のチョウの白さが、もう少しほしいけれど、テリトリー争い中の動きの速いチョウを、高い雲を背景にジャストタイミングで撮った撮影技術、美意識の方を評価します。

鹿田敏彦【オオウバユリとアマガエル】


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ただのユリの花かと思いきや、「ゆりが丘団地」には、二ホンアマガエルの居住者が。寄り添わず、花の部屋ごとに分かれて暮らす場面を記録した作品。花とカエルの大小差、同系色の色といった撮影が難しい情景を見事に表現しました。

矢崎英盛【ササキリ】


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マクロのレンズを備えているとマクロの被写体が見えてくるものですが、1㎝にも満たないという幼虫のあどけない表情と質感をジャストアングルでとらえた撮影者の目と腕は確か。昆虫にも童顔があることを教えてくれる和みの一作です。

井出哲哉【ハマフエフキ】


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野生動物にも好奇心旺盛な冒険者はいるもので、水中カメラをのぞき込んでいます。不敵なフエフキダイの根性を冷静に受け止めていて見事。水面からのこぼれ日、遠巻きに過ぎてゆく魚たちから、浅い海の臨場感が伝わります。

入 賞(ポストカード賞)

安保直紀【ムササビ】


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古木の樹洞から下界をのぞくムササビ。アングルを傾けたことで巣の高さを感じさせます。それでいて、ムササビの表情はしっかりとらえられており、被写体と環境が見事に表現されています。

原 良子【ハスとアマガエル】


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葉に乗っているニホンアマガエルは見ることがありますが、ハスの花のステージに、まるで演出家の指示に従ったかのように納まっているのはユニーク。はがきを受け取った人の微笑みが浮かびます。

小泉一二三【田植え】


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棚田の風景の美しさ、水を多様に利用する人間の知恵、高齢化の中で、そこで働く人の苦労と減少……。1枚のポストカードが伝える情報量に敬服するばかり。いっそう文化遺産的な価値を持つ一作。

林 昌尚【ニホンカワトンボ】


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視野の広いトンボに真正面から迫り、表情と羽の美しさとを1枚に収めたカメラワークが光ります。羽の色と葉の緑との配色が美術性を高めていて、受け取ってうれしいポストカード写真に。

小林雅裕【ヤエヤマボタル】


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高難度のホタルの撮影。誰もが撮りたいとは思っても至難な業。受け取った人には花火かと思わせるポストカードですが、その価値を知れば納得。作品の貴重さを人にアピールしたくなるでしょう。

佳 作

槻 栄哲・ふみ子【ホンドギツネ】

 

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玉川達夫【ゼニゴケの雌株】


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植田英雄【ツミの狩り】


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澤田尚正【岐阜県円原川】

 

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2015年度 選考経過と総評

審査では、はじめに7名の審査担当が、それぞれに好作品を選びました。まず、とにかく新鮮でユニークな作品を、点数を決めることなく選び、さらに点数を絞る段階で、本誌の表紙として類似性のないもの、季節感、そして、表紙に合わせてトリミングをしても作品の価値が損なわれないことなどがポイントになりました。作品の質という点では、ポストカードに選ばれた作品も表紙の作品に引けを取らない素晴らしいものでした。
いろいろのフィールドで、表紙を意識して撮影するのは無理なことですが、それでもチャンスがあれば、縦位置と横位置、両方で撮る習慣は、構図の研究をするにあたり意味があります。
●ポストカードを使うときの心配り
ポストカードを利用する際、写真の縦・横に宛名面の縦・横も合わせたいところ。自然の美しさを共感するコミュニケーション環境は、そんなところからも広がるでしょう。
(大橋禄郎)

 

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