沖縄県知事と農林水産部に、大浦湾のジュゴンの食痕の調査実施の要望を提出しました。
大浦湾のジュゴンの食痕の調査実施の要望(PDF/135KB)
2015年 4月17 日
沖縄県知事 翁長 雄志 様
農林水産部部長 島田 勉 様
北限のジュゴン調査チーム・ザン
代表 鈴木 雅子
ダイビングチーム・レインボー
代表 牧志 治
ジュゴンネットワーク沖縄
事務局長 細川 太郎
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
代表 吉川 秀樹
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
大浦湾のジュゴンの食痕の調査実施の要望
普天間飛行場代替施設建設事業の対象海域では、2014年7月より臨時制限区域が設置されています。それに伴い、オイルフェンスやフロートが設置され、多くの船が警備のために常に海上を航行し、ボーリング調査が行われるなど、環境が一変しています。騒音に弱く船との衝突が懸念されるジュゴンにとっては厳しい状況です。
このような状況における今回のジュゴンの食痕の発見は、2014年5月~7月に辺野古地先近辺や大浦湾奥域で発見されたジュゴンの食痕同様、沖縄防衛局の環境影響評価の調査や予測に大きな疑問を投げかけ、保全の観点からも重要となる新たな科学的事実です。さらには、ジュゴンの行動と大浦湾の生態系の関係について理解を深めていくためにも、重要な発見といえます。
ジュゴンが利用したのち、2~3週間は食痕という形で残りますが、以降は海草が元のように生え、どこをジュゴンが利用したのかが不明になることが一般的です。
辺野古・大浦湾は、世界における北限のジュゴンが生息している海域であることを踏まえ、今回のジュゴンの食痕について、沖縄県により早急に調査されることを要望いたします。
▲今回見つかった深場のウミヒルモ群落のジュゴンの食痕の写真(photo by T.Iwamoto)