中池見湿地・国際シンポジウム(12/21開催)の報告書が完成!
NACS-Jはラムサール条約湿地・中池見湿地で起きている北陸新幹線の開発問題とその背景にある制度上の課題について一般に周知するため、泥炭地の研究者である国際湿地保全連合のマーセル・シルビウス事業部長を招集し、2014年12月21日にシンポジウムを開催しました。
シルビウス氏からは「日本政府は中池見湿地を守る責務を果たしてほしい」「環境への影響を考えた第3のルートも考えるべき」「事業者がルート決定の権限をもっていることはおかしい」などの力強いご発言をいただきました。
そして筑波大学の吉田正人氏からは、中池見湿地が保護地域となった後に新幹線ルートが湿地に影響の大きい形に変更されてしまった背景に、環境アセスメント制度では事業者判断で軽微な計画変更を行うことができるが軽微かどうかは事業者が判断できることや、国定公園である中池見湿地は県に開発権限があり、国際的な保護地域でありながら国に権限がない、等の問題があると指摘されました。
NACS-Jはこのシンポジウムの結果を受けて、中池見湿地の保護問題とともに制度の改善に向けても取り組んでいきます。
詳細は以下PDFをご覧ください。
●Report of the international symposium of Nakaikemi-shicchi (PDF/448KB)
マーセル・シルビウス(国際湿地保全連合 事業部長)
辻田 香織(環境省自然環境局野生生物課 湿地保全専門官)
笹木 智恵子(NPO法人ウェットランド中池見)
吉田 正人(筑波大学大学院人間総合科学研究科世界遺産専攻教授)
●パネルディスカッション