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【配布資料】今日からはじめる自然観察「この石ころ どこから来たの?」

2015.02.27
解説

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【今日から始める自然観察】この石ころ どこから来たの?(PDF/1.66MB)
<会報『自然保護』No.544(2015年3・4月号)より転載>
このページは、筆者に、教育用のコピー配布をご了解いただいております(商用利用不可)。
ダウンロードして、自然観察会などでご活用ください。

河原や海岸に転がっている石ころは、どこから来たのでしょう?

川の上流の方向には山はありますか?その山は火山でしょうか?

地図を広げて、手の中の石ころのルーツに想いをはせてみてください。

目代邦康 (自然保護助成基金主任研究員)


石ころが生まれる場所は、川の上流の山地です。山崩れによって、崩れた岩が長い時間をかけて下流に流れてきます。途中、お互いにぶつかり合いながら、角が取れ、小さくなっていきます。そして、川岸や海岸にたまります(この石ころや砂がたまることを堆積といいます)。石ころが丸いのは、水の働きで動かされてきた証拠です。

河原や海岸に堆積している石ころは、いろいろな模様や形をしています。その場所にある石ころの種類は、その川が流れている範囲に分布する岩盤の種類を反映しています。

石ころの種類を判別する時には、石ころをつくっている粒(鉱物)がどのような種類のものか、そしてそれがどう組み合わさっているのかということに着目します。さらに、重さ(比重)や、硬さなども重要な手がかりになります。

石ころの種類を見分けるときに気をつけなければいけないのは、石ころの表面は、雨風にさらされて元々の色や模様が分かりにくくなっていることです。もし、石ころの種類を正確に知りたかったら、岩石専用のハンマーで石を割って(※1)、新鮮な部分を出して見る必要があります。鉱物の粒は小さいため、屋外用のルーペ(拡大鏡)を使って観察します。

(※1)大工道具のかなづちを使うと、石ころをたたいたときに、かなづちが割れてしまい危険です。

 

石ころの種類

石ころは、泥や砂が固まってできた堆積岩、マグマが冷えて固まった火成岩、それらの岩石が地下で高い温度や圧力を受けて変質した変成岩などに分類できます。このほか、石英(無色透明なものは水晶として知られています)のような結晶もあります。

いろいろな種類の石ころがあるのは、日本列島が地球の表面を覆うプレートが沈み込む場所にあるためです。日本列島近くの海溝では、プレートの沈み込みによって、陸地から海底に流れ込んだ砂や泥が押し固められ堆積岩がつくられます。またサンゴ礁がプレートの沈み込みによって地層になると石灰岩になります。

プレートの沈み込みによって、地下深くに運ばれた岩石は、溶けてマグマになります。そのマグマが、地上にまで上がってくれば火山の噴火という現象になり、火成岩のひとつ、火山岩をつくります。地下深いところでマグマがそのまま固まってしまうと、もう一種類の火成岩である深成岩になります。深成岩は地下でゆっくりと固まってできます。そのため鉱物の結晶が大きく成長し、鉱物の大きさがそろっています。

これらの堆積岩や火成岩が、地下で熱や圧力を受けると、岩石が溶けずに鉱物の性質や並び方が変化して別の岩石になります。これを変成岩といいます。地下深いところでは高い圧力を受け、マグマの周りでは高い温度を受けて変質します。

岩石ができる主な場所の イメージ図

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クイズの答え:堆積岩(貝がらの化石が含まれている)

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