絞り込み検索

nacsj

白山ユネスコエコパークのリレーシンポジウムに参加してきました。

2014.12.03
活動報告
icon_syumiya.jpg 保護・研究部の朱宮です。
 
白山ユネスコエコパークは、1980年にユネスコエコパーク(生物圏保護地域)になった4地域(志賀高原、大台ケ原・大峰山、屋久島)の一つです。ユネスコエコパークには、「保存機能」、「経済と社会の発展」「学術的研究支援」の3つの機能を達成するため、3つの土地利用区分「核心地域」、「緩衝地域」、「移行地域」を設けることが求められています。しかし、白山には、核心地域と緩衝地域は存在しますが移行地域がないために、平成28年に拡張最新申請をすることを目指しています。
 
 
2014hakusansimpo.jpg
▲郡上市石徹白地区からみた白山。中居神社という白山信仰の拠点となる神社があり、それより先は神域になっているという。白山信仰の歴史を感じる場所だった。
 
そこで、白山ユネスコエコパークのエリア内となっている4県7市町村(富山県、南砺市、石川県、白山市、福井県、大野市、勝山市、岐阜県、郡上市、高山市、白川村)を回って、ユネスコエコパークについて知ってもらおうというリレーシンポジウムが企画され、第1回目が11月15日に郡上市白鳥で、第2回目が16日に高山市荘川で開催されました。
 
私からは2012年に登録された宮崎県の綾ユネスコエコパークの事例を紹介させていただきました。
当日の参加者は、15日は約50人ほど、16日は30人ほどと少し参加者は少し少なめでした。ちょうど他のイベントが重なったことや、前日に雪が降ったこともあり冬支度に追われる家庭も多く、参加は限定的だったのではないかとの担当の方のお話でした。
しかし、地元白鳥地区にお住まいの自然観察指導員の曽我隆行さんにお会いできたことや石徹白地区という白山信仰の拠点になっている隠れ里を訪問できたことはよい経験になりました。
 
NACS-Jは、宮崎県の綾町がユネスコエコパークになるまでの支援を行ってきた経緯から、1980年に登録された4地域の白山、屋久島、志賀高原において助言を行っています。すでに2014年志賀高原は拡張され新規に登録されましたが、他の3地域はこれからです。また、新規登録された南アルプスや只見においても策定委員会に加わるなど積極的に助言を行ってきました。
 
ただ、すべての自治体に共通することは、申請の締め切りが決まっており時間がないために市民参加や合意形成が十分になされないまま、申請に進むケースがほとんどであるということ、地域振興策に偏りがちで生物多様性保全や教育研究支援はこれからである場合が多いということです。
 
曽我さんからは、今回のユネスコエコパークについても地域振興だけでなく、自然保護をきちんとすすめた上で地域振興をすすめるという原則を忘れないでほしいとの思いも伺いました。
枠組みができたことで、会員の皆さんが活躍できる場や機会をつくることができることや地域における今後の取り組みが期待できるので、NACS-Jとしては、支援を続けていきたいと考えています。

前のページに戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する