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普天間飛行場代替施設建設事業の環境監視等委員会の公開とジュゴン保全措置についての要望書を出しました。

2014.11.13
要望・声明

普天間飛行場代替施設建設事業の 環境監視等委員会の公開とジュゴン保全措置についての要望(PDF/147KB)


2014年11月12日

防衛大臣 江渡  聡徳 殿
沖縄防衛局長 井上  一徳 殿

公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

 

普天間飛行場代替施設建設事業の環境監視等委員会の公開とジュゴン保全措置についての要望

 
公益財団法人日本自然保護協会は、普天間飛行場代替施設建設事業について自然環境保全の立場から以下の2点を要望する。

 

1.普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会の公開

辺野古の埋め立てに伴う環境保全策を検討する「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会」(以下、環境監視等委員会)が沖縄防衛局により設置されている。環境監視等委員会は仲井真弘多沖縄県知事による埋立承認の際に「留意事項」として政府に求めたことを受けて設置されたものである。

第1回の会合は今年4月11日に実施され、6月に2回目が行われた。しかし、第2回目の会合の議事要旨は、今日に至るまで未だに公開されていない。留意事項に記してあるように、関係市町村への透明性の確保のためにも、市民が会議の内容を知ることができる状態にする必要がある。

2.ジュゴンの保全措置の徹底

今年5~7月に自然保護団体が行ったジュゴンの食痕調査により、ジュゴンがこれまで以上に高い頻度で埋立予定地内および周辺を餌場として利用していたことが解明された。このようにジュゴンが採餌域を拡大し、大浦湾の埋め立て予定地内および周辺を利用することは、環境影響評価が行われた時点では予測されていなかったことである(日本自然保護協会 2014年7月9日記者会見資料)。

環境影響評価書(補正後)には「工事中は、ジュゴンのその生息範囲に変化がみられないかを監視し、変化がみられた場合は工事との関連性を検討し、工事による影響と判断された場合は速やかに施工方法の見直し等を行うなどの対策を講じます」とある。ジュゴンは絶滅危惧ⅠA 類に指定されている絶滅危惧種であり、国の天然記念物である。着工前の調査の時点でも、厳重な保全措置が取られて当然である。着工前に影響を与える行為をしながら、事後に保全措置を取っても意味がない。ジュゴンの生態に応じて、施工方法の見直しが行われたのかどうか、またどのように行われたのか明らかにすべきである。

 
上記、1と2は密接に関係している。メディアでも大きく報道されたジュゴンの同海域の利用頻度の増加とその保全対策について、環境監視等委員会で議論がなされたのか、それとも事業者が議題にあげなかったのか、明らかにする必要がある。
また、長さ100mを超える規模の工事用の桟橋の埋め立てや、沖縄防衛局から沖縄県に出されている計画概要変更承認申請書も、環境監視等委員会の意見を聞き、市民に公開する必要がある。

報道されているように、10月末にラムサール条約事務局から日本政府宛に手紙が届いている。この事業の進捗に世界中が注目していることを念頭におき、環境保全と手続きの公開性の確保を要望する。

 

以上

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