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そうふけっぱら活動報告会を開催しました。

2014.11.28
活動報告
icon_takagawa.jpg 保護・研究部の高川です。
 
首都圏にありながら貴重な大草原がニュータウン開発予定地内に残されている「そうふけっぱら」の保護運動の活動報告会を、11月24日に開催しました。
 
当日は、そうふけっぱらに関心の高いNACS-J会員や市民団体の方々に加え、周辺の地元住民の方々も多くご参加いただきました。「全国の草原がいま激減しており秋の七草も見られなくなっているなか、広大な草原が首都圏に残されていること自体が奇跡的」という解説に、初めて参加された方はとても驚かれ、午前中の現地ツアーと午後の報告会を通じて改めてこの場所の価値を実感いただきました。
 

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◆当日の資料の一部は>>>こちら(PDF/1.7MB)
 
 
かつて日本は国土の3割が草原であったとも言われており、日本人にとってたいへん身近な存在です。しかし草原は戦後どんどん姿を消し、現在では国土のわずか2%を占めるほどとなりました。「秋の七草」ですら絶滅危惧種に指定されている県が多く(たとえばキキョウは43県で危惧種)、関東では7種を一箇所で見られる場所はほぼゼロとなってしまったほどです。そうふけっぱらには県指定の絶滅危惧種100種以上が確認されており、全国的にも貴重な草原です。
 
午前中の現地ツアーでは、そうふけっぱらの中核部分が残る千葉ニュータウン21住区の開発用地周辺を巡り、草原の広さを体感していただきました。
ニュータウンに隣接してこれほど素晴しい自然環境が残されているのか、これほど草原が広いのかと、参加者の皆さんは驚嘆の声が聞かれました。
代々地元集落に住まれている農家の方からもお話が聞け、地元の意見が十分反映されない開発のありかたに疑問をもってきたとおっしゃっていました。
 

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▲視察ツアーの様子。目の前には広大な草原が広がる。

 


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▲造成により失われていく草原。

 


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▲草原の周辺には豊かな里山環境が残る。

 

午後の報告会では、そうふけっぱらの価値や、「奇跡の原っぱ」と呼ばれる理由を共有しました。また、全国から寄せられた1万筆を越える署名にもかかわらず「開発を継続する」との回答を行った千葉県知事への憤りの声も多く上がりました。
その後もNACS-Jと亀成川を愛する会の方では地道な活動を続けています。
 
最後に行った議論では「草原が保全すべき場所だということ自体新鮮だった」「まだまだ地元にその価値が知られていないのでもっと価値を伝える発信をして欲しい」「だれでも気軽に運動に賛同できる仕掛けを用意して欲しい」といった貴重なご意見をいただきました。
 

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▲報告会の様子。周辺の団地からも多くの方が参加。

 


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▲NACS-J自然観察指導員でもある「亀成川を愛する会」の小山さんの報告。

 
今年度は具体的な造成計画は出ていないものの、引き続き消滅の危機はぬぐえません。この場所が造成されてしまえば、少なくとも3種類の生物が千葉県内で絶滅してしまいます。
私たち日本人の原風景でもある草原をこれ以上失わないためにも、何とか開発事業をより良いものに変えて行く必要があります。
 
私たちは引き続きそうふけっぱらの価値を広く伝えていくと共に少しでも次世代に引き継げるよう社会と事業者に訴えかけていきます。
 

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