トンボの楽園・中池見湿地にチャリティー・トンボ観察会の下見に行ってきました!
こんにちは、保護・研究部の福田真由子です。
中池見湿地(福井県敦賀市)は今までに72種類のトンボが見つかり、日本でも有数のトンボの生息地です。しかし現在、北陸新幹線の開発計画があります。この問題が世の中に知られていないため、10月19日、トンボを通して中池見湿地の魅力を知っていただくチャリティー・トンボ観察会をひらきます。
7日の夜に中池見湿地の保全活用計画策定のための会議に参加し、9日には久しぶりに現地に行き、チャリティートンボ観察会の下見をしてきました。
中池見湿地は現在、緑一色からヨシ、水田跡地、ミゾソバ群落など植物群落ごとに色づきも変わってきました。そして秋晴れの青空のもとには、期待通りたくさんのアカトンボが群れをなして飛んでいました! 連結したトンボやなわばり争いしているトンボなど、下見をしつつトンボの暮らしをじっくり観察できました。
▲オオアオイトトンボ
写真ではなかなか群れまでは撮影できなくて残念ですが、木道や柵に止まったトンボを撮影しました。私自身はトンボ初心者なので見つけられないものも多かったとは思いますが、それでもオオアオイトトンボ、ナツアカネ、ネキトンボ、ノシメトンボなど7種類のトンボを見ることができました。種類を後で調べるためには、模様がわかるよう、斜め前から撮るのが撮影ポイントとのこです。
▲ナツアカネ
ちなみに、NACS-Jでは、最近少なくなった赤とんぼについてしらべる「自然しらべ2014 赤とんぼさがし!」もしていますので、「自然しらべ」にもぜひ参加してみてください!
チャリティー・トンボ観察会の講師をしてくださる和田茂樹さんに伺ったところ、中池見湿地ではこの時期10種類くらいのアカトンボが見られ、新幹線計画がある「うしろ谷」ではミルンヤンマも見られるそうです。
和田さんは小学生から中池見湿地に通い始め、中学生のときに県内でも貴重なキイロサナエを「うしろ谷」で発見し、大学生で中池見のトンボの本を主担当で執筆されたという中池見のトンボのエキスパートです!
観察会当日は、この時期にみることのできないトンボについても、ヤゴをすくって観るなど工夫しながらトンボの不思議や魅力を参加者の方に楽しんでもらおうと和田さんと企画中です。
中池見湿地は、トンボだけでなく世界的にも貴重な「ノジコ」という鳥の渡りの重要地域となっています。10月10日から約10日間の標識調査も行われる予定で、北陸新幹線の開発がどれだけノジコにも影響するか、この結果が注目されています。観察会ではその現場も視察予定です。
▲ノジコ
チャリティー・トンボ観察会はまだ参加者募集中です。
赤とんぼと渡り鳥の舞う湿地・中池見にて皆様のご参加をお待ちしています!
チャリティー・トンボ観察会 ~豊かなトンボ相の秘密を見に行こう!
■中池見湿地の自然環境や現在問題となっている北陸新幹線の開発計画について紹介するパンフレットもつくりました。こちらからご覧ください。