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晴れ渡る秋空のもと、高知で里やまのモニタリング調査講習会を開催してきました。

2014.10.30
活動報告
こんにちは! 損保ジャパンCSOラーニング生の森木千沙都です。
今年の6月から8ヶ月の長期インターン生としてNACS-Jでお世話になっています。
 
10月18日~19日、高知県で開催されたモニタリングサイト1000里地調査(以下「モニ1000里地調査」)の調査講習会に、私もスタッフとして参加させていただきました。今回は講習会だけでなく各調査地での事例発表会も行われ、盛りだくさんの2日間となりました!その様子をお伝えします。
 


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■18日:地域の調査事例発表会
 
まず、1日目は、高知市立中央公民館を会場にお借りし、高知県はもちろん愛媛県や京都府の調査地で今まで5年間のモニ1000里地調査を実施されてきた4名の方々より各地の事例を発表して頂きました! 
 
チョウ類の調査や哺乳類の調査、そしてカヤネズミの調査に取り組んでいる方、それぞれご自身の普段の活動の内容や調査から得られた結果などをお話ししてくださいました。
 
 


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その中でも印象に残ったことが、“市民調査”を通して子どもたちや地域の人たちとの繋がりができたというものです。
チョウ類の調査から、子どもたちと地域のチョウの観察や飼育をする場が生まれ、次世代へのつながりができたというお話や、地域の方と協力してコウモリを調査することで知られていなかった発見があったり。市民調査が様々な活動に広がるきっかけとなっていることを知り、また新たな市民調査の意義に気づきました。
 
発表会の後には懇親会も行い、参加者の皆さんで和やかにお話を楽しみました。
 
 
 
●19日:モニ1000里地調査講習会
 
2日目は、会場を移して土佐市宇佐町で調査講習会を行いました。全国カヤネズミ・ネットワークの畠 佐代子先生と、大阪府立大学の石井 実先生を講師にお招きし、調査のやりかたや対象の生き物の生態について講義と実際に調査を体験するために野外実習を行いました。今回は、カヤネズミとチョウ類の調査です。
 
カヤネズミとは、親指ほどの大きさしかない日本で一番小さなネズミです。球巣と呼ばれる、イネ科の葉を編んで球状にした独特な巣を作るのが特徴です。移動能力が低く、環境の変化に敏感なカヤネズミを調査することは、その地の草はらの状態を知る手段としてとても重要なものとなります。
 
野外実習では、子育て中のカヤネズミに影響が少ないように、棒を使って草をそおっとかき分けながらカヤネズミの巣を探しました。巣は、草にとても上手に紛れていて見つけにくく、調査講習会で参加者の方が見つけられることは少ないそうなのですが、この日は、この屋外実習地に初めて来られたという参加者の方自身が自力で巣を発見されました! やはり自然に慣れ親しんできた方の目は違うのでしょうか。綺麗なまん丸の巣をみんなで見ることができました。
 

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▲写真左:棒を使ってそおっとカヤネズミの調査
 
午後は、チョウ類の調査講習会です。チョウは、それぞれの幼虫の食草が異なり森林を好むものや草はらを好むものなど多種多様な種がいることから、里やまのチョウ類相を経年的に調べることでその里やま全体の環境がどのように変化しているかを知ることができます。
室内で石井先生にチョウの種類の見分け方などを教えていただき、いざ調査へ! 喜ばしいことに、多くのチョウを確認することができました。見た目のよく似ているチョウは、種類を見分けるのが大変です。しかし、先生に見つけるたびに助言をいただきながら楽しく調査を行いました。
 

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▲写真左:チョウの特徴を皆で確認。写真右下:調査の際、なかなかお目にかかれない、サツマニシキという美しい蛾にも遭遇することができました。
 
 
今回、里やまを舞台として、さまざまな生き物のこと、そしてその生き物たちを大切に思い活動を広げている様々な方にお会いすることができました。これからも今回のように楽しみながら、参加者の方同士のつながりを広げていただけたら、と思います!
 
 

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