会報『自然保護』表紙フォトコンテスト結果発表!
会報「自然保護」表紙フォトコンテスト結果発表
会報表紙フォトコンテストに、たくさんのすばらしい作品をご応募くださり、誠にありがとうございます。
今回は102名の方から280点の作品をお送りいただきました。
皆さまの自然を見つめるまなざしの真剣さ、温かさが感じられるものばかりでした。「表紙写真」ということで、判型や季節感などの制約もあり難しい選考となりましたが、下記の作品を選定いたしました。
また、NACS-Jの活動に作品の使用を許可していただいた皆さま、ありがとうございます。大切に使わせていただきます。
審査員
◆会報編集ワーキンググループ
大橋禄郎(大橋予暇研究所主宰。水中写真専門誌『マリンフォト』(水中造形センター)創刊時の企画、編集にかかわる。年に数回、写真教室を各地で開催している。)
土居秀夫(編集者。動物・自然史雑誌『アニマ』元編集長)
保屋野初子(環境ジャーナリスト。NACS-J理事)
◆日本自然保護協会(NACS-J)
鶴田由美子(事務局長)
増沢有葉、田口裕美子、渡邉聡子(編集室)
講評:大橋禄郎 ※以下、作品画像をクリックすると大きくなります
優秀賞(会報表紙賞)
玉田美佐緒 【アオサギ】
<講評>
バレエダンサーにしか見えない決めポーズ。
背景の暗さがステージを思わせます。ネイチャーフォトをここまで芸術的に、そしてユーモラスに仕上げた撮影者に「ブラボー!」を叫びたい。
下釜新次郎 【サル】
<講評>
人間でも、この構図で撮ってもらったらうれしいでしょう。
斜光の取り入れ方が見事。餌を求めて人に近づいてくるそうですが、人との接点のあるサルの、少し余裕のある表情でしょうか。
林 昌尚 【キノコとカタツムリの子】
<講評>
めったに見つけられないカタツムリの幼生を、ベストアングルでとらえています。
被写体と環境との大小差が大きく、メインモチーフを見つけにくいけれど、見つけた人には喜びの大きい作品です。
延原秀幸 【サクラマス】
<講評>
産卵のために懸命に遡上するサクラマスの最後の旅路。
光る水流と色の濃い魚との明暗差を技術的になんとか克服し、カメラマン好みの被写体をジャストタイミング、ジャストアングルで作品にしています。
猪原 樹 【オンブバッタ】
<講評>
アングルのユニークさ、摂食の行動のおもしろさが光る、常識の裏をかく作品。
リアリティだけを求めると、ときにシュールになり過ぎることもありますが、この作品には美術性もあり、鑑賞して快い。
※優秀賞作品は5点になりました。
入賞(ポストカード賞)
中川秀美 【ウンモンテントウとオオカメノキ】
<講評>
自然界の多様なデザイン力を、すぐれたカメラワークでとらえた作品。
ウンモンテントウの模様はもちろん、オオカメノキのデザイン性をも見逃さなかった撮影者の目配りと美意識を評価したい。
秋山正則 【古代ハスとミツバチ】
<講評>
サンバを踊る子どもダンサーを思わせるユーモラスな作品。
古代ハスの柔らかな色彩、ミツバチの配置に高い美意識を感じます。生態写真としての情報価値も充分です。
昆虫と人間、種は違うけれど、「顔」や「表情」という点でカテゴライズすれば、生物はみな仲間、ということを改めて感じさせる作品。
吉田宏 【オオワシ】
<講評>
キーンと張りつめる冷気の中で、鋭く、勇壮に生きるオオワシのダイナミックな生態がすぐれたカメラワークで的確にとらえられています。
晴れていればこそ、より強く感じる低温の空気感が鑑賞者にも伝わります。