国土交通大臣によるリニア中央新幹線事業認可に対する緊急声明を出しました
国土交通大臣によるリニア中央新幹線事業認可に対する緊急声明(PDF/94KB)
2014年10月17日
国土交通大臣によるリニア中央新幹線事業認可に対する緊急声明
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章
本日、国土交通大臣はリニア中央新幹線の工事実施計画を認可した。環境への影響の低減措置が不十分であるにもかかわらず認可に至ったことは、日本の環境行政史上に大きな汚点を残すことになる。日本自然保護協会は、認可の即時撤回を求める。
事業者であるJR東海が公表した環境影響評価の評価書に対して、環境大臣は、本事業が近年稀にみる大規模開発事業であり、我が国の生物多様性に深刻な影響を及ぼす可能性を認識したうえで、個々の問題点とともに、「技術の発展の歴史を俯瞰すれば、環境の保全を内部化しない技術に未来はない。」と指摘し、根本的対応を求めた。その後に公表された国土交通大臣意見は、環境大臣意見を踏襲したうえで対応を事業者に促していた。国土交通大臣は自らが指摘した問題点が修正されていない計画を認めるべきではない。
事業者は、大臣意見を反映した修正が不十分なまま補正評価書の公告縦覧を実施した。これは、環境影響評価法の手続きにおいて大臣意見や関連自治体の意見には真摯に答えなくても手続きが完了しかつ、許認可を受けることができるという悪しき前例を作ることになる。決して看過できるものではない。
以上