ラムサール条約湿地・中池見湿地で保全・活用計画策定に向けた会議が進行中です
保護・研究部の福田真由子です。
2012年にラムサール条約に登録された中池見湿地では、北陸新幹線の開発計画以外にも、水田耕作停止による遷移の進行や外来種の増加など多くの現場の課題を抱えています。
NACS-Jでは地元市民団体と協力して2005年からモニタリングサイト1000里地調査を進め、2012年には様々な関係者を集めて保全計画を話し合うワークショップを開催するなど、中池見湿地の保全のために活動してきました。
2年間の準備会合を経て、今年5月に正式に保全・活用計画策定委員会(敦賀市主催)が発足し、計画の詳細については多くの方に関わっていただくためにワーキンググループ(WG)による協議が行われています。NACS-Jもラムサール条約湿地としてふさわしい保全計画となるよう積極的に会議に関わり、8月7日には第2回WGに参加してきました。
当日は、現場の保全に関わる市民団体の方やモニ1000調査員の方、行政の方、専門家の方など約40人が集まり、保全と活用の2グループに分かれて基本計画を話し合いました。
私が参加した保全グループでは主にラムサール条約湿地の登録要件に合わせた10の保全目標を話し合いました。次回は主に中池見湿地の動植物の現状や保全・管理の指標となる種を話し合うため、NACS-Jからは保全計画の基礎となるモニタリング調査のデータを提供し、しっかり保全計画に反映していきたいと思います。
活用グループは、「中池見自然学校」を立ち上げて宿泊型のプログラムをつくる、女子力アップ講座で草木染や漬物講座をする、など様々な案が出され、地元の皆さんが生き生きと話していたのが印象的でした。次回9月2日に3回目のWGを行って基本計画案を完成させる予定です。
保全・活用計画策定に向けたWGは誰でも参加できます。委員会の資料やWGの参加申し込みは以下のウェブサイトに情報を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
●敦賀市 中池見湿地保全活用計画策定について