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浸透性農薬の生態系への影響をまとめた評価書が発表されました。

2014.06.27
活動報告

icon_masuzawa.jpg 広報・編集部の増沢です。

日本の農業でも使用されているネオニコチノイドなどの「浸透性農薬」が、生物や生態系に与えている影響をまとめた「浸透性農薬世界的総合評価書(WIA)」が発表され、26日に東京で研究成果発表会が開催されました。

評価書をまとめたのは、先日レッドリストの更新でも注目されたIUCN(国際自然保護連合)に設置されている科学者の国際チーム「浸透性農薬タスクフォース(TFSP)」です。彼らは、世界中の800以上もの学術文献を査読・検討し、その結果、ネオニコチノイドは地球規模で生物多様性に悪影響を与えてており、現在の使用規模は持続可能ではないと結論づけました。

これまで浸透性農薬はミツバチの大量死との関係が注目されてきましたが、報告書では、ミツバチの他にもチョウなどの受粉昆虫や、ミミズなどの陸上無脊椎動物、巻貝類などの水生無脊椎動物、鳥類などにも悪影響を及ぼしており、地球規模で生態系サービスの水準や安定性を損ないかねないとしています。

今回示された「規制的行動を引き起こすに十分なほど、明快な危害の確証がある」という科学的見解をきちんとみつめ、対策を考えていかなくてはなりません。

発表会では、農薬使用量を減らしていくための取り組みとして、IPM(総合的有害生物管理)の推進が紹介されました。IPM更に一歩進んだIBM(総合的生物多様性管理)も近年注目されています。農業における病害虫管理の発想の転換が今求められています。

201406WIA_kaijo.jpg研究成果発表会

seiyoumitsubachi.jpgセイヨウミツバチ

参考記事

※WIAの詳細は、専門学術誌「Environmental Science and Pollution Reserch」(環境科学と汚染研究)に数週間以内に発表される予定。

201406WIA_sugawarabunta.jpgTFSP・WIA東京実行委員会代表の菅原文太さん

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