生物多様性観測に関する会合を開催しました。
保護・研究部の高川です。
生物多様性のモニタリングを地球規模で進めてくことを目的に世界各国の研究者が参画する「GEO-BON(生物多様性観測ネットワーク)」という組織があります。
日本でも、国内の研究者100名以上が参加する「J-BON」という日本版のネットワーク組織が2008年に作られました。しかし、研究者だけが参加する組織であったこともあり、データの収集・統合方法についての議論ばかりが進み、市民/NGOと協力してどうモニタリングを進めていくかや、データから明らかったことを政策や現場の保全を担う市民にどのように還元していくかという点が十分扱われてきませんでした。
そこで日本自然保護協会と有志の研究者が協力し、2年程度かけてJ-BONを新たな運営体制へと作り変える取り組みを行っています。
その結果、この4月3日に1年半ぶりとなるJ-BON総会を開催できました。
当日は各地から60名程度の参加がありました。
▲会合の様子
国内の関連研究プロジェクトについての発表がなされたほか、環境省や文科省・農水省からもご出席いただき、関連の深い生物多様性政策についてご紹介いただきました。また、NACS-Jからの声かけによって、市民調査や普及啓発を進める新たなNGO(例えばバードリサーチやCEPAジャパン、コーラルネットワーク等)にJ-BONの新メンバーとして加わっていただくこともできました。
自然しらべやモニタリングサイト1000里地調査のように市民が進める調査の結果が、科学的に解析評価され、政策や現場の保全にしっかりむすびついていけるよう、引き続きJ-BONへ参画していきます。
▲環境省奥田氏(生物多様性地球戦略企画室長)の発表の様子