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那覇空港滑走路増設事業への埋め立て申請承認に対する抗議声明を発表しました。

2014.01.09
要望・声明

那覇空港滑走路増設事業への埋め立て申請承認に対する抗議声明(PDF/139KB)


2014年1月9日

那覇空港滑走路増設事業への埋め立て申請承認に対する抗議声明

公益財団法人日本自然保護協会
理事長 亀山 章

本日、仲井真弘多沖縄県知事が、那覇空港滑走路増設事業に対する国の埋め立て申請を承認した。これは、以下に示す通り公有水面埋立法第4条「環境と災害への十分な配慮」の要件を満たしておらず、法律を遵守していない行為である。公益財団法人日本自然保護協会は強く抗議する。

本計画に記されている環境保全措置は、2013年8月5日に提出された環境大臣の意見や、2013年10月8日提出の日本自然保護協会の意見に対して回答できていない。その1つが埋立土砂の問題である。一部はジュゴンの生息に影響がある場所から採取され、これらの行為がジュゴンの個体群の維持や沖縄島周辺の海草藻場に与える影響が甚大であるにもかかわらず十分な保全措置が取られていない。また、残り土砂の一部は、2014年3月に指定が決定されている、慶良間諸島国立公園の普通地域内から採取される。これは自然公園法に基づく自然保護行政の軽視であり、指定前とはいえ国立公園内の開発行為として保全措置を講ずるべきことである。

沖縄県では、2021年度の入域観光客数1千万人の達成に向け、ロードマップ(行程表)の作成に初めて着手するという。そのインフラ整備の1つが本事業である。豊かなサンゴ礁から成る自然海岸を埋めて進める本事業は、自然破壊行為であり、近年沖縄県自身が作ったた長期計画である沖縄21世紀ビジョンや生物多様性おきなわ戦略に記されている目標とも整合性が取れないだけでなく、沖縄の観光資源としての自然環境の価値を著しく低下させることになることは想像に難くない。沖縄県知事は沖縄の将来をどのように見ているのか甚だ疑問である。

以上のことから、公益財団法人日本自然保護協会は、国と県に対して事業の透明性の確保を求めるとともに、沖縄県に対しては、沖縄の将来のためにウミガメやジュゴンをはじめとするサンゴ礁生態系の環境保全措置を重視すること、またその措置が担保されない限り、埋立申請の承認を撤回することを求める。

以上

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