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「生物多様性おきなわ戦略で見る沖縄の未来」を開催しました。

2014.01.24
活動報告
 保護・研究部の安部です。
 
 
1/18(土)フォーラム「生物多様性おきなわ戦略で見る沖縄の未来」をNACS-Jと沖縄・生物多様性市民ネットワークとの共催で那覇で開催しました。土曜日にもかかわらず40名を超える参加がありました。
 
 

okinawachiikisenryakuforum1_R.jpg環境省那覇自然環境事務所から曽宮次長のご挨拶で始まりました。

最初は沖縄県自然保護課の富永課長に生物多様性おきなわ戦略を策定した経験談を行政の立場からお話いただきました。沖縄県はコンサルタントに委託せず課の職員が戦略を書いてきたので、苦労も多かったとのことです。

(→「サンゴ礁は県民の大切な宝もの おきなわサンゴ礁ウィークはそのことをもう一度思い起こすウィーク(週間)です」(2014.3.1-9)と書いたスライドの前で話をする富永課長。)

 

 
地域戦略策定委員をつとめられた吉川秀樹さん(沖縄BD)、花井正光先生(沖縄エコツーリズム推進協議会)、桜井先生(沖縄大学)からは異なる立場から策定にあたり生じた困難や苦労話をお聞かせいただきました。花井先生からは生物多様性主流化に向けたエコツーリズムの役割、吉川さんからは沖縄BDの生物多様性地域戦略への取組みが紹介されました。
 
印象に残ったのは「地域戦略に魂を吹き込むにはどうしたらよいか」という桜井先生の言葉でした。県の自然環境の指針ランクⅠの自然海岸の泡瀬と辺野古の海で何が起きているかを例にあげ、地域戦略が実効性を欠くことを指摘されました。実効性あるアセスや埋め立てを抑制する基本姿勢などの担保がなければ戦略は絵に描いた餅になってしまいます。
 


okinawachiikisenryakuforum3_R.jpg

私からは20項目にのぼる愛知ターゲットを説明しながら、辺野古の例をあげ、事業が進むと愛知ターゲットのどの目標の達成が困難になるか、説明しました。
(→私の発表資料の1つ。辺野古は愛知ターゲットの9,10,12の達成を妨げるという内容です。)
 
 
 
第2部のパネルディスカッションは河村雅美氏のコーディネートのもと、活発に議論がなされました。サンゴ礁の専門家である中野義勝氏(沖縄県サンゴ礁保全推進協議会/琉球大学)とチョウの専門家の宮城秋乃氏(日本鱗翅学会自然保護委員)にも議論に加わっていただきました。
 
「ABS(遺伝子資源への公平なアクセス)が地域戦略に入っていない」「沖縄の生物多様性を解明するという言葉が入っていない」など鋭い指摘も出て、また「(委員の)私の意見がネグられた」など委員から苦言が出る一幕もありました。また地域戦略をどう使うか、地域戦略は国家戦略に反映させることができるのか、などさまざまな視点からの議論がなされました。また富永課長が話された生物多様性プラザについても多くの質問がありました。
 
愛知ターゲットが達成できなかったらどうするのか、日本が達成せぬまま、2010年のときのようにまた仕切り直しが2020年に行われるのではないかとの強い懸念も示されました。
 

okinawachiikisenryakuforum2_R.jpg
 
(↑第2部のパネルディスカッションの様子。沖縄BDの苦労話をする吉川さん。)
 
★当日の配布資料は以下からダウンロードできます。

フォーラム「生物多様性おきなわ戦略で見る沖縄の未来」配布資料(PDF/2.18MB)
 
 
◆生物多様性おきなわ戦略は以下からダウンロードできます
http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/shizenhogo/hogo/bd_okinawa_senryaku.html
 
参考:
●沖縄・生物多様性市民ネットワーク
http://okinawabd.ti-da.net/e5830603.html
●宮城秋乃さんのブログ
http://akinotaiinnorinshitaiken.ti-da.net/e5833930.html
 
 

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