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声明文:沖縄の自然と人々の暮らし、そして未来のために知事は埋立申請の不承認を!を発表しました。

2013.12.20
要望・声明

声明文:沖縄の自然と人々の暮らし、そして未来のために知事は埋立申請の不承認を!(PDF/156KB)

 


2013年12月20日

声明文

沖縄の自然と人々の暮らし、そして未来のために知事は埋立申請の不承認を!

 

沖縄・生物多様性市民ネットワーク
吉川 秀樹
公益財団法人 日本自然保護協会
亀山 章

 

2013年12月17日、沖縄県の仲井真弘多知事は、沖縄政策協議会において、普天間飛行場の5年以内の運用停止や、日米地位協定の改定、オスプレイ12機程度の県外分散配備等、沖縄の基地負担軽減の具体的な要求を日本政府に対して行った。

メディアの多くは、政府が2014年度の沖縄振興予算案3400億円台を計上するなど、埋立承認に向けて環境整備を行っていることを背景に、知事の要求を普天間代替施設建設に関わる辺野古・大浦湾の埋立申請の「承認の条件」として報道している。

一方沖縄県は、同12月17日、県が提出した第4次質問への沖縄防衛局の回答をもって、埋立申請手続に関する沖縄防衛局のやりとりを終結し、審査の取りまとめに入ることを表明した。

しかし4度に渡る質問・回答のやりとりをもっても、ジュゴンの保全措置、埋立土砂に混入する外来種の問題、埋立土砂の調達先の環境に与える影響の対策、オスプレイの騒音や安全に関わる問題、米軍が行うとされる保全措置の担保など、環境保全に関わる問題は解決されておらず、同埋立計画が公有水面埋立法を遵守できないことは、会期中の県議会における沖縄県の答弁でも確認された。さらには、示された計画の内容の一部が、環境アセスの手続きと埋立申請承認手続きにおいて異なる、という事実も判明している。

私たちは、仲井真知事が沖縄政策協議会で提出した基地負担軽減の要求と、埋立の承認・不承認の判断は、別々に取り扱われるべきものであり、条件関係には成り得ない、条件関係にしてはいけないと考える。

なぜなら、知事による承認・不承認の判断は、この埋立が同法を遵守できるか、できないか、という観点により判断されるべきであり、それが同法の趣旨であるからだ。

公有水面埋立法第4条1項2号で「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」と規定されている。「公有水面実務ハンドブック」42 頁において、「(3)「十分配慮」とは、問題の現況及び影響を的確に把握した上で、これに対する措置が適正に講じられていることであり、その程度において十分と認められることをいう。」と解説されている。

同埋立承認申請手続きで提出された沖縄県環境生活部部長意見が示すように、沖縄における米軍基地には、日本の環境法が適用されないばかりでなく、日米間で策定した「日本環境管理基準」や「航空機騒音規制措置」さえも遵守されていないのが状況である。

辺野古・大浦湾の豊かな自然環境とそこで暮らす人々の暮らしを守るために、そして沖縄の未来のために、公有水面埋立法を自ら犯すという愚行を、仲井真知事自らがとってはならない。埋立は不承認の判断しかあり得ない。

 

<賛同団体>
沖縄環境ネットワーク
奥間川流域保護基金
琉球諸島を世界遺産にする連絡会
沖縄リーフチェック研究会
憲法9条メッセージプロジェクト
ジュゴン保護キャンペーンセンター
北限のジュゴン調査チーム・ザン
ジュゴンネットワーク沖縄


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