宮城県南三陸町で自然観察指導員講習会を開催しました。
教育普及部の大野です。
11月9、10日、宮城県南三陸町の県立志津川自然の家を会場に、自然観察指導員講習会を開催しました。宮城県では1997年以来、16年ぶりの開催となります。講師は、NACS-J専務理事の吉田正人と、自称「自然観察会の子」の植原彰さん。
そして、地元南三陸町はもとより東北各地から35名の方が参加してくださいました。
木枯らしも一吹きした後の東北の地は、冬を前に晩秋の装いです。スケッチからはじまる森の野外実習、観察会のテーマ探しを1日目に済ませ、2日目は嵐のような風と雨が収まったなかで各一人ずつ恒例のミニ観察会を行いました。
参加した方の平均年令は41歳。参加動機は様々ですが、特に東日本大震災で被災した現地で復興、観光、環境教育、調査などに行政や市民の立場で関わる方、がれき処理に携わってきた方、仕事でこの地をよく通う方などが集まった講習会でした。会場の自然の家のグランドには、仮設住宅が並び、そこから2日間通って参加する方もいらっしゃいました。
今回は、少しでも地域経済に貢献することも復興支援につながり、せっかくの南三陸町開催なので志津川湾の海産物を堪能していただこうということで、地元の民宿に分泊しました。季節にあった地のものを味わうことができるのは何よりも贅沢です。
1泊2日に凝縮したプログラムで分泊のうえ、通いの方もいらしたので、受講者の方同士、講師やスタッフとの交流の時間があまり取れなかったのが、担当としても反省点でした。そこで3月には、南三陸ネイチャーセンター準備室の方たちと海辺の自然観察の研修会を企画して、また集まれる機会をつくる予定です。
開催にあたっては、大震災以前まで会場の近くにあったネイチャーセンター(南三陸町自然環境活用センター)を再興するために日々活動する「南三陸ネイチャーセンター準備室」の方たちに準備段階から当日の運営まで協力をいただきました。また、宮城県自然観察指導員連絡会の指導員の方たち、環境省東北地方事務所アクティブレンジャー、岩手県在住の元NACS-J職員…などがスタッフとして集結して協力してくださいました。
この講習会をきっかけにできた人の出会いとつながりによって東北各地で自然観察会が生まれ、地域の自然を尊重した復興につながることを願ってやみません。
最後に、今回の講習会にあたっては、株式会社日清製粉グループ本社から、ご協賛と多大な協力をいただきました。心から感謝申し上げます。