絞り込み検索

nacsj

「奇跡の原っぱ」のシンポジウムを開催しました

2013.11.27
活動報告
  icon_takagawa.jpg 保護・研究部の高川です。
 
11月24日、シンポジウム『奇跡の原っぱ「そうふけっぱら」を次世代へ』を東京都で開催しました。
ご参加ご協力いただいた皆様には、心よりお礼申し上げます。
 
当日は2名の専門家にご講演いただき全国の草原の危機的な状況や草原の価値・重要性を学ぶとともに、総合討論ではそうふけっぱらの価値と今後のニュータウンづくりのあり方について議論しました。
 

20131124soufukepparasimpo1.jpg
 
高橋佳孝さん(全国草原再生ネットワーク代表、阿蘇草原再生協議会会長)からは、阿蘇での草原再生と地域づくりを事例として、草原が生物多様性の保全の場だけでなく、水道原水の涵養やCO2固定、観光資源といった役割においても重要であり、その価値を地域の経済活動にうまく組み込めてこそ保全が実現できることなどを発表いただきました。
 
もうお一方の西廣淳さん(東邦大学)からは、千葉北西部の草原は1千年以上の歴史を持っていることや、それゆえに首都圏の中に未だに貴重な草原が点在していること、そうふけっぱらはその中核の一つであることなどをご発表いただきました。
 
 

20131124soufukepparasimpo2.jpg
 
総合討論では、同じ千葉県の流山市でのまちづくりの事例や多摩ニュータウンでの緑地の重要性、不動産業界の生物多様性保全の最新事情なども会場から紹介されました。
そうふけっぱらを保全し新たな街の財産として位置づけていく上では、他に類を見ないような草原の成立条件を科学的に十分検証していくことや、草原によりもたらされる生態系サービス(特に子供や都市開発にとっての価値)を十分に評価すること、様々な立場の方々が価値を見出して日々の暮らしや経済活動の中でうまく活かしていくことが重要であるといった問題提起がなされました。
また、この場所の取り組みが日本の他のまちづくりのあり方にも資することになるのではないか、そうふけっぱらがニュータウンの新住民と旧住民、お年寄りと子供といったギャップをつなぐ場となるのではないか、といった期待の声も多く聞かれました。
  
 
NACS-Jでは引き続き地元団体である亀成川を愛する会と協力して、ニュータウン事業やまちづくりの将来のあり方を多様な主体によって協議する場の設定を事業者に求め、具体的な提案を行っていく予定です。
また、1月と4月には現地視察ツアーも企画していますので、是非ご参加ください。(ツアー詳細についてはこちら

前のページに戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する