日本の保護地域を分かりやすくまとめた「保護地域アトラス」が完成しました!
保護・研究部の小此木です。
11月13日に開催される第1回アジア国立公園会議を前に、日本の保護地域の現状をまとめた日本自然保護協会の新しい資料集、「日本の保護地域アトラス」(右写真)が完成しました!
編集作業から苦節1年、データの収集や解析も含めれば8年です。
みなさんは保護地域と聞いてどんな印象をお持ちでしょうか?
世界的なもので言えば世界自然遺産や日本のものであれば環境省管轄の国立公園などがすぐに思い浮かぶところだと思いますが、それ以外にも環境省の鳥獣保護区や林野庁の保護林、保安林、文化庁の天然保護区域、都道府県や市町村の緑地保全地区、水産庁の保護水面など何をどう守るかで様々な行政機関が様々な制度を設けています。
しかし、それらはすべてバラバラに指定されており、例えば屋久島には世界自然遺産(ユネスコ、文化庁)、ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)(ユネスコ、文化庁)、国立公園(環境省)、原生自然環境保全地域(環境省)、鳥獣保護区(鹿児島県)、森林生態系保護地域(林野庁)、天然記念物(文化庁)、ラムサール条約登録湿地(環境省)と多くの保護の制度がかけられています。
これら様々な保護地域がどのようなものなのか、どこに位置しているのかという情報をまとめたものが保護地域アトラスになります。図は今回掲載したすべての保護地域を日本地図上に表示したものです。国土の約20%が何らかの保護地域に指定されているという結果でした。

(▲保護地域アトラス P23より)
またこれらの保護地域で貴重な植物の群落がどれくらい保護されているかという解析も実施しました。
ぜひお手に取り、ご覧になってください。
■保護地域アトラス目次■
はじめに
日本の保護地域アトラスとは
1 日本の保護地域の概要
コラム1 綾ユネスコエコパーク
コラム2 日本の海の保護地域
2 自然公園による植物群落RDBの保護の現状
3 植生自然度から見た自然公園の累計区分
コラム3 世界自然遺産小笠原国立公園内での重要地域抽出の試み
4 IUCN保護地域管理カテゴリーと日本の国立・国定公園
5 日本の保護地域を巡る課題
6 付録
●定価:1050円(税込)
●ご購入は、日本自然保護協会オンラインSHOP「しぜんもん」へ