地域の再生可能エネルギーの開発計画を注視していてください
環境省のウェブサイトから入れる「アセス支援ネット」では、環境アセスメント制度に沿って環境影響評価をしなくてはならない開発案件のアセスの進捗状況をリストで見ることができます。
昨年以来、圧倒的な数で目を引くのは風力発電で、北海道から沖縄まで85カ所を超え(10/3現在)、特に大型のものを海上に計画する洋上風力発電の計画も載り始めています。
また今後は、国立公園の規制緩和がされた地熱発電計画も次々載ってくる予定です。環境アセスメントが進む中では住民・市民が意見を出す機会があり、その意見がどのように取り扱われたかを追跡することもできます。
NACS-Jとしては特に、岩手県釜石で希少猛禽類のイヌワシが衝突してしまった風力発電所の拡張計画に注目しています。
その理由は、以前のアセスの検討の中で「衝突確率は低い」という理由によって発電所建設が許可されたものの、実際にはすぐに衝突事故が起こりましたが、その地域への拡大計画であるからです。環境アセスメントをしっかり機能させ、地域の自然環境や生きものにダメージを与えるような計画が許可されることのないようにしていくべきです。
もうひとつ、風力も地熱発電もその多くは陸上の森林の中に計画されることが多いのですが、保安林や保護林など既存の各種規制制度で守られている森林と、これら再生可能エネルギー開発との関係や善し悪しをどう判定していくかも課題となっています。これについては、林野庁の木材利用課を事務局にして有識者の勉強会が繰り返されており、NACS-Jも参加しています。
会員の皆さんがお住まいの地域のどこにどのような計画があるかご覧いただき、的確に意見を出していく機会をとらえてください。
(常勤理事・横山隆一)