海水温上昇による沖縄のサンゴの白化の様子についての報告が届きました。
保護・研究部の安部です。
NACS-Jアクションサポーターの写真家・有光智彦さんから沖縄島の北谷町宮城海岸(浄水場前ポイント)の海の生き物の様子が届きました。
沖縄など日本の南の海域では、長く台風が接近することも上陸することもなく、海の水が撹拌されず、高水温の状態が続いていました。そのため有光さんが定点で観測していた紫色のミドリイシ(サンゴの仲間)はこの1か月でこのように色が変わってしまいました。
写真1:2013年7月20日に撮影したミドリイシ(撮影:有光智彦)
写真2:2013年8月19日に撮影した同じミドリイシの様子。完全に色が抜けてしまっている様子がわかります。
写真3:この海域の様子です。白化したサンゴが多く、死滅している部分も見られます。(撮影:有光智彦)
写真4:イソギンチャクも褐虫藻を失い真っ白になっています。(撮影:有光智彦)
サンゴやイソギンチャク、シャコガイは褐虫藻(かっちゅうそう)という小さい植物を多く体内に住まわせています。普段は褐虫藻が太陽の光を固定してエネルギーをサンゴに分けてくれます。サンゴが高水温などのストレスを受けると、褐虫藻が体から出てしまいます。写真2のように色がすっかり抜けて白化していても、褐虫藻が体内に戻ってくれたら、また元気になります。
写真5:左・サンゴの触手です。褐虫藻が多くいる部分は茶色になっています。右・褐虫藻の様子
砂辺のサンゴを見守る会の会員さんからも、同様な、色が抜けて薄くなったり、色がすっかり白くなってしまったサンゴやイソギンチャクの写真が送られてきました。
台風12号や17号は沖縄島や久米島に接近していたため、海水の撹拌が起こり、海水温が低下していると良いと思います。褐虫藻が戻り、多くの生き物の命が助かることを願います。
また、白化したサンゴや弱っている生き物を見つけたら、以下の要領でお知らせください。
2)たくさんの情報や写真や動画などをいただける場合には、NACS-J安部(abe@nacsj.or.jp ※スパムメール対策のため@を大文字にしています。小文字に修正して送信してください。)まで情報をお寄せください。
●情報をお送りいただく際、できれば以下について教えてください。
(1)日時
(2)発見場所
(3)水温
(4)周囲の状況(白化しているサンゴの周囲のサンゴも白くなっているか、どの程度か、など)
※写真や動画があればぜひ送ってください。全ての情報がそろっていなくても大丈夫ですので、まずはご一報をお願いします。
(参考)
●この猛暑に海の生き物たちも悲鳴。サンゴの白化目撃情報をお寄せください。
https://what-we-do.nacsj.or.jp/2013/08/2159/