高木仁三郎市民科学基金 市民科学 研究成果発表会に参加しました。
保護プロジェクト部の安部です。
高木仁三郎市民科学基金の2012年度に助成を受けて実施された調査研究の成果の発表会が6月30日と7月6日の2回に分けて行われています。
▲高木基金の菅波さん
脱原発や原子力関係も多く、多岐にわたる分野の発表がありました。
長島の自然を守る会の高島美登里さんからは、助成を受けて行ってきた活動の舞台である上関をめぐる情勢が変わってきているという報告がありました(下写真)。
2012年6月には二井前県知事が埋立免許の延長を認めないと県議会で答弁し、2012年9月には新しく就任した山本知事も前知事の方針を引き継ぐと答弁していました。しかしながら2013年4月になり山本知事は中国電力の公有水面埋立免許申請の延長を了承し、免許を2014年4月まで延長することを表明し、今後が心配な状態です。
公有水面埋立承認申請をめぐり、大きな問題提起がされているのは、この山口県とNACS-Jが取り組む辺野古のサンゴ礁(https://www.nacsj.or.jp/katsudo/henoko/2013/04/post-62.html)の2件しかありませんので、あらゆる意味で進捗が気になります。
また、新たな手法によるカンムリウミスズメの生態の解明や環境省が昨年、新たに上関の貝類を42種登録されたことなどについてご発表があり、その他、現在までの会の名称「長島の自然を守る会」から「上関の自然を守る会」への名称のご変更についてお知らせがありました。
最初は上関町内の長島のみのご活動だったものの、改めて水鳥の分布範囲や自然の状況を鑑みて、「上関」という広い範囲でご活動される方が適切であると判断されたそうです。
続いて泡瀬干潟を守る連絡会の前川さんから「泡瀬干潟・浅海域での埋立工事による濁り・濁度の調査」と題した発表がありました。
長年にわたる運動の結果、埋立の面積を半分にさせ、一度は埋立が中止されたものの、再開されてしまいました。埋立地内外には貴重な動植物が棲んでおり、今でもラムサール条約登録湿地の基準(例:絶滅危惧種の海藻がすむ、クロツラヘラサギ個体群の0.1%が利用する)を4つも満たしています。これから3年間が工事が最も激しく行われる期間となります。例年通り、10月から強化されると思われるので、今後もよりいっそう、濁度や生き物の様子などを見続けることが重要になってきます。
NACS-Jも泡瀬干潟をはじめとする沖縄の自然の保護に引き続き取り組んでいきます。