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ラムサール条約第5回締約国会議(釧路会議)開催20周年記念シンポジウムに参加しました。

2013.07.05
活動報告
icon_abe.jpg  保護プロジェクト部の安部です。
今年はラムサール釧路会議の第5回締約国会議(COP5)が釧路で行われて20年になります。それに関連して開催された記念シンポジウム「ラムサール釧路会議(COP5)+20」に参加しました。
最初に海外からのゲストお二人の基調講演がありました。
ーーこの20年間を振りかえり、元ラムサール条約事務局長のダニエル・ナヴィッドさんから「ラムサール条約の過去・現在・未来」と題したお話ーー
1993年に釧路で開催されたCOP5は、国境を越えた環境問題を解決するに当たり重要な役割を果たした。特に日本野鳥の会、そして多くの釧路の市民が多くの協力をしてくれたのを印象深く覚えている。4500人もの地元ボランティアが貢献してくれる場所は世界の他の地域では考えられない。当時たった6か所だった日本のラムサール条約登録湿地が現在では46個。日本の多大な努力に敬意を払うとともに、個人的にはこの進展にとても満足している。
 ーー元米国魚類野生生物局長(釧路会議副議長)のローレンス・メーソン氏から「釧路会議が米国における湿地保全やラムサール条約の実施に果たした役割」というお話ーー
釧路や日本の人たちが果たした役割は大きく、COP5がラムサール条約におけるターニングポイントであったと言える。湿地を管理することから柔軟性、トップダウンから地元へ主導へ、個々の湿地を捉えることから包括的へと大きな転換があった。COP5期間中も地元が協力的な雰囲気を作り出し、夜は文化やアートでいっぱいで、楽しかった。
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▲「It was a turning point」と書かれたスライドを用いて講演するメーソン氏
「We don’t know how you did this!」と感嘆をこめて話すメーソン氏。最後に一言、1993年の大きな思い出として「Kushiro is a city of ‘party animals’(釧路はパーティアニマルの町だ)」と・・・。
いったいどのような夜だったのでしょうか。タイムマシンに乗って20年前を見てみたいですね。
続いて名執芳博氏(WIJ会長)のコーディネートで、パネルディスカッションにうつりました。
パネリストは上記のお二人と中島慶二氏(環境省自然環境局野生生物課長)、鈴木 信氏(釧路市上下水道部長、元COP5担当者)大畑孝二氏(日本野鳥の会チーフレンジャー)、小林聡史氏(釧路公立大学教授、元ラムサール条約事務局員)です。
鈴木信さんは、元COP5担当で、市役所のある釧路市の水源は釧路湿原なので、毎日湿原の恩恵を受けています。270を超える市民団体、そして4,500人もの市民の参加を得て実施したCOP5のことや、その後の取り組みについてお話しがありました。
しかしながら、20年たち、釧路会議を知らない世代が市役所にも多くなってしまい、市役所の本来の仕事ではないこの取り組みをどのように次の世代に伝えていったものか、悩むことも多いそうです。
 小林聡史さんからは「ラムサール条約は国際会議の中でも住民参加と地元の人たちを大事にする珍しい条約である。ラムサール条約登録湿地の条件がいくつかあるが、それに加えて地元の人が保全に賛同することが必須となる。重要な湿地であっても地元の人たちが賛同してなければラムサール条約登録できない、とのこと。」と話されました。
NACS-Jのプロジェクトサイトの1つである泡瀬干潟や大浦湾も、ラムサール条約に登録してもらえるように努力してきたものの、「地元が同意しない」、この1点で登録は実現しません。
他の条件はいくつも満たしているにも関わらず。ラムサール条約は素晴らしい条約ではあるものの、この点は改善し、日本の自然をトータルに見て重要な湿地は必ず登録されるようにすべきであると考えます。
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▲パネルディスカッションの様子
最後に名執さんから「今後湿地を保全していくためのキーワードは?」という質問がありました。
ダニエルさんは「cooperation(協力), ローレンスさんは「persistance (忍耐)」と回答。74才のローレンスさんは更なる努力を!と強調されます。
その他の回答は、「湿地に価値を見いだす(中島さん)」、「湿地の価値を日常的に肌で知ってもらう、そのために市民に広く知らせていく(鈴木さん)」、「住民参加(大畑さん)」。
NACS-Jも更なる努力と忍耐をもってがんばります。

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