調査から生まれる人と人の気持ちのつながり
こんにちは、保全研究部の後藤ななです。
生きものの季節は、調査の季節。
モニ1000里地調査の調査講習会も全国で続々開催しています。
今回、私たちは岩手県一関市のコアサイト「樺の沢」で調査講習会を開催しました。
▲調査講習会の様子。昼間に、ホタルの成虫を探しに
東北地方の調査員の皆さんを中心にご参加いただいたのですが、一言で「東北の調査サイト」といっても北は青森県から南は福島県まで実に数百キロと離れている調査サイトの方々にお集まりいただきました。
調査講習会は、モニ1000里地調査の意義や調査手法を伝える場でもありますが、こうした日頃お会いすることができない方々と顔を合わせて交流できる貴重な機会でもあります。
講習会の合間をぬって開いたプチ交流会(ランチ会)では自己紹介で、震災の前後の変化を見続けていきたい、調査を刺激としてこれからの活動に磨きをかけたい、といった里地調査にむけてのさまざまな意気込みを教えていただきました。
(→地元の方のご挨拶の様子)
また、今回調査講習会の開催を歓迎してくださった地元集落の方々も、調査を通して感じたことなどを発表いただきました。
今回、調査講習会会場に使わせていただいた「樺の沢」は調査をはじめて6年目、地元集落の方も一緒になり調査をされています。
ホタル類やカエル類の個体数を調べる調査に参加されたり、水のpHや流量などを調べる水環境の調査では集落の方が中心となって調査されています。
そうした地元集落の方からは、「調査を通して、農作業や家のまわりの手入れのときも水のことや生きもののことにも注意するようになった」という意見をいただきました。
この里地調査が、生きものが隣人として同じ里に暮らしていることや水が里の基盤であることを再認識する機会となっているようです。
温かな地元集落の方に迎えられながら、無事に調査講習会も終えることができました。
調査講習会を快く迎えていただいた樺の沢の皆さま、遠方よりお集まりいただいた東北の調査員の皆さま、本当にありがとうございました。
▲調査講習会の様子
調査講習会を終えると、それぞれの遠く離れた調査サイトに戻りそれぞれの調査が始まります。
この貴重な機会が、5年間、100年間をつないでいくように気持ちを確かめあえる場所になればと思っています。