木曾のヒノキ林に保護林をつくるための検討委員会の設置が決まりました。
NACS-Jから林野庁に意見書を出し、これまでにもお伝えしてきた、長野・岐阜県境の木曾の温帯針葉樹林に保護林をつくるための検討委員会の設置が、この5月にようやく決まりました。会員の皆さまや関心を持つメディアの報道のおかげです。(過去の参照記事はこちら)
木曾の温帯針葉樹林とは、木曾谷周辺の樹齢300~400年を経たヒノキの大木を含む、サワラ、アスナロ、ネズコ、チョウセンゴヨウ、コウヤマキといった、いわゆる木曾五木と呼ばれる樹種やオオヤマレンゲ、マルバノキなどを含む自然林のことです。この森は長年、木材資源として利用され続け、更新(世代交代)が難しく成長も極めて遅いことから、枯渇の危機に瀕しています。
自然林として守ることは森そのものが修復されていくプロセスの保護ですが、数百年を経た天然ヒノキの大木という自然遺産は、伊勢神宮をはじめとする古くからの神社仏閣の宗教行事や有名な城の天守閣などの文化遺産の建て替えや復元などの資源にもされてきたものであるため、この関係をどうするかが最も難しい論議になると思われます。引き続き会報で進捗報告を致しますので、ぜひご支援をお願いいたします。
(常勤理事・横山隆一)